つい「自分で考えて」と言ってしまう人が、心得ておくべき“大切な言葉”〈風、薫る第128回〉『風、薫る』第128回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第128回(2026年9月23日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

大事なことを教えてくれた患者さんに思いを馳せる

 看護婦試験にツヤ(東野絢香)と敏江(和泉詩)らが挑んだ。後進の者たちに看護の真髄を伝えるために、りん(見上愛)はシマケン(佐野晶哉)の勧めもあって本を書くことにする。

 りんが看護の本を書くことを意識しはじめる。前作『ばけばけ』もクライマックスで、主人公のトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)が本を書きはじめた。主人公が何か書き残すのが最近の朝ドラのトレンドなのか。それはさておき、第128回では誰もがつらい過去を乗り越え明るいほうに向かっていく姿を描く。

「やっぱりどうしても一ノ瀬さんのようにはできなくて」

 りんと泊まり込みの派出看護実習を終えて、ツヤが言う。でも「下を向くのはよくないので、宿題にします」と前向き。

 それを聞いて、りんと直美(上坂樹里)は「自分で考えて」だけでなく、もう少し寄り添った教育をすべきだと考える。養成所に学びにくる人たちは知識の量もまちまちだから、もっと違う言葉、違うやり方で教えようと。

「私たち難しい宿題出されたね」と言うりんと、とりあえず「夜食」とまた大きなおにぎりを握る直美。それを微笑みながら見てスケッチしている環(瀧七海)。そこからタイトルバックで、やっぱりこれは環が書いた絵の体(てい)なのかなと思わせる。

 いよいよ、試験の日。

「自分が努力する方がずっと楽」という直美に、「下の者を育てる方がよっぽど難しい。答えが出るのはずっと先」とりん。この言葉は「私に大事なことを教えてくれた患者さん」から聞いたものだ。

 りんが病院から無断で連れ出した山本(本田大輔)の言葉である。

 第67回で「自分が努力するより、下の者を育てるのはよっぽど難しい。答えが出るのはずっと先だ」。

 そうりんに語った山本。