行動特性はコンピテンシーとも呼ばれ、行動や思考の様式や傾向はもちろん、価値観、動機なども含みます。
特に「ヘルプシーキング行動」(編集部注/メンバー同士〔およびチームや組織を超えた人たちと〕で助けあい、ときに未知のテーマに対しても共創して答えを出していくための行動)「仕事の分解」「優先度の判断」など、残業グセの削減に直結する行動を、評価の観点に加えることも検討してみてください。
全社の人事評価制度の基準に照らしあわせて、なおかつ現場の視点ももちあわせながら適切に評価を運用していきましょう。
チームの士気を下げないために
評価の仕方を工夫する
人事評価だけがメンバーに対する評価のすべてではありません。
メンバーの望ましい成果や行動、すべてを人事評価で報いることができれば理想かもしれませんが、現実にはそうもいかないでしょう。
次のような事情で、人事評価および給与や賞与などの報酬面でメンバーに報いることができないケースも多々存在します。
● 零細企業でそもそも人事制度がないケース
● メンバーに業務委託など社員ではない人たちが含まれていて、人事評価の対象ではないケース
● 既存の人事評価項目にあてはまらない成果や頑張りを評価したいケース
● 人事評価のスコアの上限が決まっていて、高評価をつけられないケース
たとえば感謝や賞賛の気持ちを言葉で伝える。その行動にも評価の意味があります。
「ありがとう」「いつも助かります」
このような短い言葉でも、あるとないのとではメンバーのモチベーション、ひいては組織文化に与える影響に差が生まれます。
とりわけ管理職やリーダーなど、チームに対して少なからず影響力のある人の言葉は、組織文化に対する影響の度合いも違う。
「このチームでは、このような行動も認めてくれる」
「このチームでは、成果が見えにくいこのような仕事も大切に思ってくれる」
このような認識をチーム全体にもたらし得るのです。
仕事を「任せる」ことも
メンバーへの評価になる
権限委譲もまた、管理職がチーム単位で運用できる評価の表現方法の1つです。
全社の権限規定や決裁規定などは、現場の管理職の一存では変えられないですし、逸脱してもならないですが、仕事や作業の単位でメンバーに「何を任せる」「どこまで任せる」は管理職の裁量で十分にコントロールできます。
● 仕事の進め方を任せる
● どこで仕事するかを(全社のルールを逸脱しない範囲で)任せる
● 最終の意思決定は課長がするものの、提言権を担当者に委ねる
『定時で成果 残業ゼロでも目標を達成するチームづくりの教科書』(沢渡あまね、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
このように、普段の仕事を分解してみると、意外とメンバーに任せられる部分が見つかるのではないでしょうか。
任せるとは、相手を信頼している、相手をプロとして尊重しているメッセージの裏返しの行為であり、それ自体が相手に対する前向きな評価の表現でもあります。
また、任せられた体験は相手の視座を上げ、視野を広げるきっかけにもなります。そこから、管理職の仕事に興味関心を持つ人も少なくありません(かくいう私も勤め人時代、任されまくった経験により管理職への意向が高まった人間の1人です)。
管理職こそ自分の仕事を分解し、メンバーに任せていきましょう。それは後任を育てる意義もあります。







