新型パジェロ Photo:MITSUBISHI
三菱自動車が新型「パジェロ」で復活の狼煙を上げた。日産自動車との資本提携から10年を迎える今、注目すべきはホンダとの関係だ。実は、1990年代前半に三菱自とホンダの資本提携が水面下で動いたことがある。日産に代わってホンダとの資本提携が再燃し、ホンダ・三菱自・日産の3社連合が明確になる可能性はあるのか。(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)
1980年代は有名ではなかった
パジェロが脚光を浴びたきっかけは?
9月2日、三菱自動車の新型「パジェロ」をお披露目するワールドプレミア発表会が、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで行われた。内外メディアに加えてタイ、フィリピン、インドネシア、オーストラリア各国の大使館関係者らも出席し、実に華やかな雰囲気だった。近年は新車発表をホテルの会場を貸し切って行うのは珍しい。同社が「パジェロ復活」に賭ける意気込みを強く感じた。
クルマのスペックなど詳細はすでに多く報道されているので、この記事では、三菱自動車が今このタイミングでパジェロを出す意味を考察していきたい。
筆者はその昔、三菱自のトップから「実は、うちの秘密兵器はパジェロなんですよ」と聞かされたことがある。「当社は軽自動車から大型トラックまで幅広いでしょう。その中でパジェロは隠れたヒット商品になりつつあるんです」と語っていた。そう、つまり1982年に発売した当初、パジェロは知名度が高くなかった。
転機は80年代後半~90年代、RVブームやパリ・ダカールラリーでパジェロが優勝したことで一躍脚光を浴びる。海外では「SHOGUN」(将軍)の名で販売され、注目されるようになる。
パジェロは三菱自の創業にも縁が深いクルマだ。日本における4WDのパイオニア「三菱ジープ」は、1953年に米ウイリス社とのライセンス契約でノックダウン生産を開始。56年からは完全国産化へ移行した。その後継車がパジェロである。4代目までは子会社のパジェロ製造の工場(岐阜県坂祝町)で生産し、内外に供給してきた。
オフロードでもオンロードでも使える多目的4WDパジェロは、三菱自を代表する人気モデルへ成長した。弟分の軽自動車「パジェロミニ」、リッターカー「パジェロジュニア(その後パジェロイオ)」も誕生。パジェロミニは、スズキ「ジムニー」への対抗車となった。2008年には日産自動車に「キックス」としてOEM供給された。
シリーズ化されヒットする一方で、三菱自の度重なる不祥事と経営悪化に翻弄されたクルマでもあった。







