金属の内部には「海」が存在する――そう聞くと不思議に聞こえるかもしれない。銅線やアルミ箔などの金属の中では、実は電子たちが「海の中」のように自由に漂い、陽イオン(金属イオン)を取り囲んでいる。こうした電子の動きからも、化学の「結合の種類」が見えてくる。身近な金属のなかで揺らめく「電子の海」のメカニズムを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から分かりやすく解説する。
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金属結合
金属結合は、多数の金属原子が電子を共有することで形成される。
共有結合と違って、結合を形成する電子が非局在化(ひきょくざいか)しており、自由に動き回っている。
いわば電子の海を作っている。

金属結合は、金属や、複数の金属を混合させた合金に見られる。

金属結合の性質
金属は金属結合に由来する性質を示す。金属は、
・電気と熱を良く伝える。電子が動き回って電荷をたやすく運んでくれるからだ。
・一般的に融点と沸点が高い。金属結合は強く、切るのに大量のエネルギーが必要だからだ。
・密度が高い。
・展性と延性を持つ。
金属結合の強さを決めるのは、金属内を自由に動き回る電子の個数および、陽イオン(金属イオン)の大きさと電荷である。
展性 押しつぶしたり叩いたりして板状にできること
延性 引き延ばして細い針金にできること

多原子イオンを含む一部の化合物は、2種類以上の結合を持っている。
たとえば、骨や貝殻に含まれる炭酸カルシウム(CaCO3)では、共有結合によって、炭酸イオン(CO32-)という多原子イオンが形成されている。
そして、陽イオンであるCa2+イオンと、陰イオンであるCO32-が、イオン結合を形成している。
両方の種類の結合を含む化合物としてはほかに、MgSO4, NaHCO3, NaOHなどがある。



