進化論といえばチャールズ・ダーウィンの名前が浮かぶが、実は彼以前にも、独自のアプローチで「生命の変化」に挑んだ科学者たちが存在していた。ゾウの化石と現生種の違いに気づいた自然史学者、キリンの首が長くなった理由を環境への適応から説明しようとした植物学者、そして生物は変化すると見抜いていたダーウィンの祖父まで。ダーウィンへとつながる進化論の“前夜”に、観察や化石から生命の謎に迫ろうとした先駆者たちを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紹介する。(ダイヤモンド編集局)

キリンが首を伸ばしてこちらを見ている画像。Photo: Adobe Stock

ダーウィン以前の進化論

チャールズ・ダーウィンは、現代の我々が知る進化論を打ち立てたことで有名だが、それ以前の科学者たちも独自の研究によって進化について考察していた。
中には、化石に基づいて自身の理論を裏づけようとした人もいた。
ここではそんな人物たちを紹介しよう。

リンネとビュフォンの挑戦

カール・リンネは、現在使われている生物の分類体系を構築した生物学者だ。
リンネは、新たな生物種が誕生しうると考えた。

ビュフォン伯爵は数学者で、生物は環境と偶然によって変化すると考えた。
ビュフォンは、ヒトと大型類人猿は近縁であると唱えた。

ダーウィンの祖父の先見性

チャールズ・ダーウィンの祖父であるエラズマス・ダーウィンは、生物は進化するものであって、ヒトの誕生以前にも進化が起こっていたと初めて考えた人物だ。
しかし、そのしくみまでは説明することができなかった。

自然史学者のジョルジュ・キュヴィエ男爵は、化石動物の骨が現生動物の骨と大きく異なることに気づいた。
彼は、ゾウの化石を観察して、古代のゾウは現生のゾウと大きく異なることに気づき、古代の生物種が地球の環境変化に適応してきたに違いないと結論づけた。

「キリンの首」で説明したラマルク

ジャン=バティスト・ド・モネ・ド・ラマルクは植物学者で、ビュフォン伯爵の弟子だった。
さまざまな動物を観察してそれらの類似性に気づき、いずれは新たな生物種が生まれるはずだと考えた。
さらに、動物は適応能力によって身体を変化させてきたと初めて考えたのも彼だ。
ラマルクは、単純な生物が環境に適応するにつれて複雑な生物になっていったと考えた。
キリンを例に挙げて、自身の学説を次のように説明した。
「キリンの首が長くなっていったのは、首を使ってどんどん高い枝の葉を食べるためだった。そうして何世代にもわたって、親から子へどんどん長い首が受け継がれていったのだ。」