「更生保護は、国と地方、保護司など民間ボランティアや団体が協力し、地域社会の中で犯罪や非行から立ち直ろうとする人を指導・支援することにより、新たな被害者も加害者も生まない社会をつくる取組であり、もとよりその過程において、その人が行った行為を肯定したり、その責任を曖昧にしたりするものではありません。」

「なお、今回の判断は、この作品に出演されている皆様を始め、生きづらさを抱える方々が直面する困難や、過去に罪を犯した人の更生への取組を否定するものではないことを付言させていただきます。」

 官庁が出す声明にしては読みやすく感じる全文である。

法務省ホームページのスクリーンショット法務省ホームページのスクリーンショット

 この声明に対する批判もまたあるのだろうが、批判を受け止めるとともに番組出演者への配慮もうかがえると感じた。また、更生保護の考え方をブレずに主張している。

 SNS全盛の中では、なにごとも単純化されて伝わりやすい。

 法務省の声明の中に「その人が行った行為を肯定したり、その責任を曖昧にしたりするものではありません」とあるとおり、更生保護をうたっているからと言って、その人の過去を全肯定するわけではない。番組に反社会的な過去を持つ出演者を出すことは、その過去を肯定することとイコールではない。

 しかしいったんSNSで拡散されて批判が始まると、悪者探しが加熱し、議論がもっとも極端なところに行き着いてしまう。この状況の中で更生保護についての理解が深まらないと判断したのだとしたら、法務省の対応はもっともだろう。

 法務省とタイアップせずとも、「ラヴ上等」を好んで見る若者はいるだろうし、それぞれが違った受け取り方をするだろう。かつての「加害者」の「更生」なんて見たくないし、わざわざ番組で取り上げる必要もないと感じる人がいるのも当然だ。

「ラヴ上等」のシーズン2はいったんメンバーが卒業したものの、メンバーの大半を入れ替えて同じ舞台で違う物語が始まろうとしている。今回は「更生」要素があるのかどうか。筆者はその点が気になっている。