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日本の土地や不動産が外国資本に買われることで、どのようなリスクが生じるのか。土地は一度取得されれば、そこに施設をつくり、人を住まわせ、新たなコミュニティーを形成することもできる。現在放送中のドラマ『VIVANT』で公安監修を務める元公安捜査官の勝丸円覚氏が、安全保障の観点から、外国資本による土地取得の知られざるリスクを解説する。※本稿は、セキュリティコンサルタントの勝丸円覚『日本を静かに侵食するスパイの手口』(青春出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
土地取得時には
本当の用途が見えない
スパイ防止の点でインフラとともに重要なのが、土地や不動産の問題です。
現在、日本では外国人による土地や不動産取得の実態把握が進められていますが、取引の段階では、必ずしも外国人が前面に出てくるとは限りません。
帰化した人物や別の国籍の人物、あるいは法人名義を使い、その後に資本構成を変えていく。結果として外部資本が実質的にコントロールする形になる。こうした手法が取られる以上、「見た目」だけで判断することはできません。
土地取得の問題で厄介なのは、買われた瞬間には、その本当の意味が見えないことです。
たとえば離島や沿岸部の土地であれば、最初は観光開発やリゾート投資、あるいは別荘地の取得といった、いかにももっともらしい名目で入ってきます。
平時においては、確かにそれで説明がつく。観光地としても成り立つし、投資案件としても一応の理屈はある。ですから、土地を売る側から見ても、事前に危険を察知することは容易ではありません。
しかし、問題はその土地が「取得された後」です。土地の使用目的は、ずっと同じとは限りません。最初は純粋に投資目的だったとしても、後からいくらでも用途が変わる。
そこに施設をつくることもできるし、人を住まわせることもできる。しかも、その場所に人が集まり、コミュニティーが形成されれば、それ自体が情報収集や工作活動の拠点になり得ます。
これは中国のやり方を見ると、特によくわかります。中国には、国家のために国民や組織が協力する義務を定めた「国家情報法」という法律があり、本国の求めに応じて情報提供や協力を行うことが、制度上も文化的にも求められる土壌があります。
そのため、最初から国家の意図を受けて水源地や観光地、重要な土地を狙ってくる場合もあれば、最初は純粋なビジネス目的で取得された土地が、後になって国家的な活動に利用されるということも起こり得ます。
ここが非常に重要な点です。つまり、取得時点の説明だけを見て安心してはいけないということです。
土地だけでなく「働く人」が
後から取り込まれる可能性も
「観光開発です」
「投資です」
「ここで静かに暮らしたいだけです」
そうした説明は、取得時には成り立つかもしれない。しかし、その後に使用目的が変わる可能性もあります。
最初は善意の投資家に見えた人間が、数年後にはまったく違う役割を持ち始めることもある。あるいは、その場所で真面目に働いていた従業員が、後からリクルートされることもある。
たとえば、その施設で働いている中国人職員が、最初は本当に普通の就労目的で来ていたとします。ところが、後になって「この人物は重要だ」「この地域の情報を集めてほしい」と協力を求められればどうなるか。
本人は真面目な職員であっても、国家への協力義務や本国とのつながりの中で、情報収集に取り込まれる可能性があります。
このように、最初からスパイとして潜り込んでくるケースだけではなく、後から拠点も人も利用されるようになるケースもあるということです。
土地取得というのは、建物1つを持つだけでは終わりません。そこに人が集まり、生活が始まり、コミュニティーができる。







