ひきこもり平均年齢「36.9歳」進む長期化・高齢化、「8050問題」危機克服のための“第一歩”写真はイメージです Photo:PIXTA

ひきこもり状態の人は約146万人
中高年まで継続で新たな問題

 内閣府の推計値(2023年公表)によれば、ひきこもりの数は、若年(15~39歳)が約68万人、中高年(40~64歳)が約78万人で、なんと合計約146万人になるそうだ。

 これは、生産年齢人口のほぼ50人に1人がひきこもっていることになる。しかも2019年の推計値は約115万人だったから、ひきこもりは確実に増えている。

 しかも問題は深刻化している。「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が先般公表した、家族を対象とする調査結果(25年12月から26年1月にかけて実施)によると、25年度のひきこもり状態にある人の平均年齢は36.9歳で、10年前の32.7歳と比べて4.2歳上昇したという。

 会の担当者は、「ひきこもり状態が長期化し、中高年まで継続している。50歳以上の割合も増加している」とコメントしている。

 家族会の報告は、巷間ではほとんど注目されなかった。しかしこの異常な数の多さと、「8050問題」(80代の親が収入のない50代の子どもの生活を支えることで世帯に生じる問題)と呼ばれるひきこもりの長期化・高齢化は、親が亡くなった後の子どもの孤立と困窮を考えれば、きわめて深刻で危機的な事態だ。

 海外でも、ひきこもりがまったくないわけではないが、多くの欧米諸国や他の国でも、成人になると親元を離れ独立することが普通で、ひきこもりは若年層中心であり長期化・高齢化は見られない。日本ほど深刻な社会問題とはなっていないのだ。

 この長期化・高齢化の根底には何があるのか? 私はここに、日本特有の「世間」の存在があると、考えている。