東電分解#3データセンターの建設計画を発表したJERAの可児行夫会長グローバルCEO Photo by Fumiya Suzuki

AI需要の爆発とともに巻き起こっているデータセンター建設ラッシュにより日本のエネルギー戦略が歪なものになっている。2050年のカーボンニュートラル達成と拡大する電力需要は両立するのか。長期連載『エネルギー動乱』内の特集『東電分解』の#3では、国が掲げるGX戦略と生まれ変わらざるを得ないエネルギー業界を掘り下げる。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)

データセンター電力需要は10年で10倍超に
国は脱炭素とデータセンター需要を両立の方針

 経済成長及びデータセンター・半導体工場の新増設に伴う需要増加により、電力需要が増加に転じ、2034年度にかけて電力需要が増加すると想定している――。

 2025年2月に公表された第7次エネルギー基本計画(第7次エネ基)の一文だ。元々、国内の電力需要は人口減少や省エネ化などの影響で減少傾向だった。しかし、AIの興隆によりデータセンター(DC)や半導体工場の新増設が見込まれるようになったことで、23年を底に上昇に転じた。

 下図は電力広域的運営推進機関(OCCTO)が25年に公表したDCの最大電力需要の見通しだ。

 25年時点で47万キロワット(KW)としていたDCの最大需要は、34年には約13倍の600万kW超まで膨れ上がる見通しとした。国内の総電力需要は10年間で6%の増加にとどまるが、DCの立地地域では局所的に電力需要が急激に拡大することになる。

 総務省の「令和7年版情報通信白書」では、国内のDC数は200カ所を超え、大規模都市圏である首都圏や関西が主な集積地となっている。

 今後のDC建設計画も旺盛だ。NTTデータグループは千葉県白井市に電力容量が200メガワット(MW)級のDC建設計画を発表。30年以降のサービス提供を予定している。ライバルとなるソフトバンクは大阪府堺市のシャープ堺工場の跡地や北海道苫小牧市でDC建設を進めている。シャープ堺工場跡地ではAIサーバーや蓄電池の製造も計画し、産業拠点にもなる見通しだ。

 電力需要の爆発が将来の話ではなく既に現実になっている中、政府は第7次エネ基で、40年度の電源構成について、火力発電を減らし再生可能エネルギーや原子力発電の比率を高めるとしている。

 脱炭素の計画とDCによる電力需要の拡大が並行して進む中、経済産業省は26年9月、GX(グリーントランスフォーメーション)の産業集積エリアとなるGX戦略地域を選定しDC計画の方向性を示した。

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