つらいのは「怠け」ではないかもしれない。2万人をみてきた組織開発コンサルタントで『組織の違和感』の著者である勅使川原真衣氏が、実際に職場に分け入って考えた、組織変革のコツを伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

組織の違和感Photo: Adobe Stock

休みを挟んだからこそ気づくもの

 長い休みが終わる日の夜。

「明日から仕事か……」

 気が重い。休んだはずなのに、会社に行くことを考えるだけで疲れる。

 そんな自分に対して、「怠けちゃだめだ」「気持ちを切り替えないと」と思う人も多いかもしれません。

 ですが、休み明けに感じる「会社に行きたくない」という気持ちを、単なる怠けや甘えとして片づけないほうがいいこともあります。

 なぜなら、休みを挟んだからこそ、普段見えなくなっていた違和感に気づくことがあるからです。

「慣れ」で蓄積する違和感

 毎日働いていると、人は案外いろいろなことに慣れてしまいます。

 朝から大量のメールを処理する。会議では上司の顔色を見ながら発言する。苦手な相手にも明るく振る舞う。本当は納得していない仕事でも、「まあ、仕事だから」と引き受ける。

 一つひとつは小さなことです。

 だから、その場では「こんなものだろう」と流してしまいます

 でも、いったん仕事から離れて、好きな時間に起きたり、気を遣わない人と過ごしたり、一人でゆっくりしたりすると、自分が普段どれだけ無理をしていたのかに気づくでしょう。

 そして休みの終わりに、また同じ場所へ戻ることを想像した瞬間、身体や気持ちが「ちょっと待って」と反応する。

 その感覚が、「会社に行きたくない」という気持ちとして表れることがあるのです。

何と何が噛み合っていないかを見る

 ここで大事なのは、すぐに「仕事そのものが嫌いなんだ」「自分は向いていないんだ」と決めつけないこと。

 仕事の内容は好きだけれど、上司とのやりとりで消耗しているのかもしれませんし、人間関係は悪くないけれど、自分に合わない働き方を続けているのかもしれません。

 当然、同じ職場でも、感じ方は人によって違います。
 雑談が多いとうれしい人もいれば、集中できず疲れる人もいる。曖昧な指示でも自由に動ける人もいれば、目的や役割が明確なほうが力を発揮できる人もいます。

 どちらが正しいわけでもありません。

 問題は、自分に合わない環境のなかで無理をしているのに、「もっと頑張って適応しなければ」と、自分だけを変えようとしてしまうことです。

 もし休み明けに強い違和感を覚えたら、「なぜ私はこんなに仕事が嫌なのだろう」と自分を責める前に、少し分解してみてください。

 自分は何が嫌なのか、つらいのか。

 仕事量でしょうか。人間関係でしょうか。役割でしょうか。毎日の働き方でしょうか。
 それとも、職場にいるときの「自分らしくない自分」でしょうか。

 普段は忙しさのなかに埋もれてしまう小さな違和感が、休みを挟むことで見えてくる。それは、自分がより自然体で働くためのヒントかもしれません。

 だからこそ、休み明けに感じた「なんとなく嫌だ」で自分を責めすぎず、その感覚を大切にしてみてほしいのです。