「ヒートショックは冬の風呂場だけ」という常識、実はもう古いです。良かれと思っていた暑い日のエアコン設定や、寒い日の節電による我慢が、気づかぬうちに脳や血管へ大きな負担をかけているかもしれません。『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』をベースに、季節を問わず命を守る「室温管理」の意外な落とし穴と、正しい住環境の整え方を紐解きます。

【脳の専門医が警告】ヒートショックは寒い日の風呂場だけじゃない…脳を守る「室温管理」ベスト1Photo: Adobe Stock

ヒートショックは冬の風呂場だけじゃない!
命と脳を守る「室温管理」の鉄則

入浴中の事故として知られる「ヒートショック」。急激な温度変化で血圧が大きく変動し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす恐ろしい現象です。

「冬の脱衣所が危ない」というイメージが強いかもしれませんが、実は季節を問わない日々の「室温管理」が、見えない危険から命と脳を守る最大のカギとなります。

冬の室温「18℃以上」が健康を守る世界基準

寒い日でも、光熱費を節約するために家の中で厚着をして、暖房を我慢していませんか? 実はその我慢が、体や脳の血管には大きな負担となっています。

WHO(世界保健機関)も、健康を守るために室温18℃以上を強く推奨しています。室温が18℃未満だと血圧が上がりやすく、ある報告では室温が10℃下がると上の血圧が最大8.2mmHgも上昇するとされています。しかし、日本の実態調査では、冬の居間の平均室温が16.8℃、寝室は12.8℃と、多くが推奨値を下回っています。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

暖房の効いた暖かい居間から、冷え切った寝室や廊下へ移動した際の急激な温度差が血管を傷つけます。まずは居間だけでなく、家全体の温度を「18℃以上」に保つ工夫が必要です。

夏のエアコン「28℃設定」の落とし穴

一方で、ヒートショックは冬だけの問題ではありません。暑い日のエアコン設定温度についても、かつての常識を見直すべき時期に来ています。

カナダでの研究によると、高齢者が22℃、26℃、31℃、36℃の環境で過ごした際、26℃までは血圧や心拍数に大きな変化は見られませんでした。しかし、31℃や36℃では心拍数が著しく増加し、体への負担が確認されました(出典:Environ Health Perspect. 2024 F e b ;132(2):27003.)。
かつて日本では「クールビズ」で28℃設定が目安とされましたが、健康面からも見直しが進んでいます。ヒートショックは年間を通して意識すべき健康リスクです。室内の「温度差」をなくし、適切な室温管理を心がけることで、この見えない危険から身を守りましょう。

――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

節電を意識するあまり28℃設定に固執すると、知らず知らずのうちに心臓や血管に負担をかけ、暑い日のヒートショックや熱中症を招きかねません。

生涯にわたって健康な脳と体を維持するためには、冬は「18℃以上」、夏は「26℃未満」を目安にし、部屋間の温度差をなくすことが重要です。今日から正しい室温管理のノウハウを取り入れ、安全で快適な住環境を整えていきましょう。