高さの異なる台に座る2人の男性のミニチュア写真はイメージです Photo:PIXTA

同僚の昇進や抜擢を知り、「自分のほうが頑張っているのに」と嫉妬した経験はないだろうか。相手への怒りや自分への惨めさを抱え続けても、仕事の成果にはつながらない。しかし、その悔しさは使い方次第で、自分を成長させる力にもなるという。戦略コンサルタントが、嫉妬に振り回されず前に進むための思考法を解説する。※本稿は、戦略コンサルタントの山本大平『仕事ができる人の超整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

嫉妬は「相手」ではなく
「自分」に向けて使う

「あいつは上司に気に入られているだけじゃないか。なぜ、地道に頑張っている私ではなく、要領のいいあの人ばかりが評価されるんだ」

 同僚の昇進や、隣の席のメンバーが大きなプロジェクトに抜擢されたというニュースを聞いた瞬間に感じる、胸の奥がチリチリと焼けつくような独特の感情。

 私たちが職場でエネルギーを浪費し、かつ「整理」が難しいのがこの「嫉妬」という感情です。

 頑張っているのに報われないと感じる人の多くは、こうした「内側の摩擦」にリソースを奪われています。

 相手への怒りや自分への惨めさを反芻している時間は、自分のスキルを少しも向上させないばかりか、判断力を鈍らせ、さらなる「報われないループ」へとあなたを引きずり込んでしまいます。

 しかし、嫉妬を感じること自体は「もっと良くなりたい」という強いエネルギーをあなたが持っている証拠でもあります。

 必要なのは、そのエネルギーを「相手を引きずり下ろす方向」から「自分を押し上げる方向」へと整理し直すことです。

 嫉妬という散らかった感情を、未来を拓く「ガソリン」へと変える思考術を見ていきましょう。

嫉妬とは自らの不足を教える
「精度の高いセンサー」

 私たちが誰かに嫉妬するとき、そこには必ず「自分が欲しいものを相手が持っている」という事実があります。

 嫉妬は、脳が発している重要なアラートです。

 今の自分に何が足りないのか、本当は何を目指したいのかを教えてくれる「精度の高いセンサー」だと言い換えてもいいでしょう。

 このセンサーが反応したとき、多くの人は感情の波に飲まれて思考を停止させてしまいます。

 しかし、仕事ができる人はここで一呼吸おき、そのモヤモヤを「分析すべきデータ」として整理します。

「あの人のどこが評価されたのか?」

「上司はどんな基準で今回の抜擢を決めたのか?」

 感情という濁ったレンズを外し、自分と相手の間にある「具体的な差」を数値や事実として書き出してみるのです。

■ダメな感情の持ち方(嫉妬による停滞)
「運が良かっただけだ」「どうせ私なんて」と、相手を否定したり自分を卑下したりすることにエネルギーを使い、自分の成長を止めてしまう

■整理された感情の持ち方(分析による前進)
「あの人の『根回しの速さ』が評価されたんだな」と嫉妬をデータとして捉え、技術を盗んで自分を成長させる

 嫉妬を「人格の問題」ではなく「戦略的なギャップ」として整理する。

 この視点の転換ができれば、あなたは惨めな敗北感から解放され、建設的なアクションへと踏み出すことができるようになります。