写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。
経営者の声を拾い決断を後押し
地域企業の後継者問題や成長停滞といった問題が叫ばれて久しい。地域の中小企業経営者は、自社の課題に気付いていないわけではない。むしろ本人は課題を一番よく理解している。それでも動けないのは、課題が軽視されているからではない。課題の先送りを生む要因として、課題の重さや関わる利害関係者が多いことに加え、経営者の意思決定をサポートする存在が相対的に少ないことがある。
これらの課題の解決策として、M&Aの活用が徐々に浸透してきた。しかし地域金融機関と専門家に求められるのは、M&Aという結論を急いで示すことではなく、経営者が最初の一歩を踏み出せる状態をつくる「意思決定支援」である。
日々の相談で経営者が口にする言葉は、極めて率直で具体的である。「息子は継がないと言っている」「最近、採用が難しい」「自分がいつまで現場に立てるか分からない」「このままでは大手に勝てない」「誰かと組む必要があるかもしれない」「買収には関心があるが、失敗が怖い」――。これらはいずれも、経営者がすでに課題を自覚していることを示す言葉である。
支援機関が最初に行うべき仕事は、課題を発見することではなく、すでに自覚されている課題を具体的な行動につなげることである。地域金融機関の担当者であれば、こうした言葉を一度は耳にしたことがあるはずだ。問題は、その言葉を受けて、どのような行動につなげ、先送りせず適切な一歩を踏み出すきっかけを提供できるかにある。







