「わからない」が近道に…人を成長させる“正しい恐怖”とは〈風、薫る第126回〉『風、薫る』第126回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第126回(2026年9月21日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

トシをとらない人、白髪が目立つ人

 いよいよ最終週。半年間続いた『風、薫る』もあと5回。第26週「道標」(演出:佐々木善春)第126回はまたまた懐かしい人たちが現れる。帝都医科大学附属病院編に出ていた人たちだ。その人たちによってこれまでを振り返り、その後、内務省・柳生(中村倫也)の妻という先週、先送りにされた謎が明かされる。

 事務所の入り口に恵風派出看護婦養成所と恵風看護婦会の看板が並んでいる。

 りん(見上愛)と直美(上坂樹里)は本格的に養成所をはじめていた。

 明(開原律)と茂(國分譲斗)が石で積み木をして遊んでいる。明はどうやら石遊びが好きなようだ。しょっちゅう石で遊んでいる。

 でも子どもが石を積んでいると、筆者はなんだかひとつ積んではなんとかのため〜という三途の川の石積みたいなものを思い浮かんでしまう。親より先に亡くなった子どもが、現世の親を悲しませた親不孝の罪を償うため、三途の川をわたる前、賽の河原で石を積む。そういう亡くなった多くの子どもも世の中にはいるのだという暗喩であろうか(深読みしすぎ)。

 そこへ訪ねてきたのは、外科教授の今井(古川雄大)だった。登場人物がトシをとらないのが特徴のこのドラマ。シマケンは「38歳」と劇中の書類に書いてあって若見えにびっくりしたのだが、今井は前髪を白髪にして年齢を表現していた。

 特別講義を引き受けたのだ。

 解雇されて、働いていた証拠も出してもらえなかったツヤ(東野絢香)が今井に習っているのが印象的。組織としてはツヤに情を向けられないが、個人としてなら親切にできるということか。今井は基本、クールだったが、最後のほうではいいことを言っていた。

 いや、皆さん、悪人ではなく、組織としてやるべきことに従事しているだけだったのだ。

 白衣を着て消毒法を教示する今井。

 これまで石炭酸が用いられることが多かったが、煮沸という方法もある。もっと新しいところでは蒸気で消毒する方法も、などと解説。蒸気滅菌を用いることで確実な衛生管理ができるようになった。それこそりんの父が亡くなってから格段に医療は進歩してきた。