「自分勝手」は「悪い人」?そうとは言い切れない“人間くさい理由”〈風、薫る第123回〉『風、薫る』第123回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第123回(2026年9月16日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

寛太、いやなやつだった?

 とても来週終わるとは思えない淡々ぶりだが、事件が起こる。

 茂(國分譲斗)と明(開原律)が屋外でメンコ遊び(たぶん葉っぱを使って)をしている。

 そこへ帰ってくる直美(上坂樹里)。東京府看護婦規則というものができることになった。

 看護婦の免状を作って、信用できる看護婦とそうでない看護婦がわかるようにする。

 免状は、年齢満20歳以上の女子で看護婦試験に及第した者に与えられる。

 看護婦試験がけっこうややこしい。看護法全般。解剖生理、伝染病予防消毒法の学説試験があって、それに受かったら実地の試験がある。

 ツヤ(東野絢香)はともかく、セツ(村上穂乃佳)は受かるだろうか。

 そして、りん(見上愛)や直美やしのぶ(木越明)はどうなる?

 と思ったら、2年以上看護を生業にしていると医者との証明があれば試験は免除されるそう。りんたちは改めて試験を受ける必要はない。セーフ。

 ツヤも、11年前とはいえ、帝都医大病院に2年以上勤務していたから、病院から証明書をもらおうということになる。

 もらえるのかちょっと疑問であるが。直美が不安に思うのは、そこではない。

 寛太(藤原季節)が、蛇の道は蛇で、自分のところにいる“自称・看護婦”を、お金を払えば「看護婦」と証明してくれる医者がいるのだ。

 ここで、寛太が急激にいやな人物化する。

 規則ができると直美が事前に教えてくれたから早く動けた、というのだ。

 直美はこれまで寛太にいろいろ頼ってきたが、彼女自身が彼に何かをしたことはなかったと思う。今回、珍しく、親切心で寛太に情報を与えたらこんなことに。

 つまり、寛太は初めて出会ったときの詐欺師のまんま、なんにも変わっていなかった。