「もっと早く変えておけばよかった」。老後になってから、過去を振り返ってそう悔やむことがある。仕事や人間関係、毎日の過ごし方など、「このままでいいのだろうか」と感じながらも、変化への不安から現状を選び続けてしまう人は少なくない。しかし、決断を先延ばしにしている間にも、時間は過ぎていく。では、将来「あのとき動いておけば」と後悔しないためには、何を知っておけばいいのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
Photo: Adobe Stock
「変化」を恐れていないか?
「このままでいいのだろうか」
年を重ねるにつれて、そんな思いを抱くことはないだろうか。
長く続けてきた仕事。なんとなく続いている人間関係。以前は楽しかったのに、今は心が動かなくなった習慣。
変えたほうがいいとわかっていても、今の生活を大きく動かすのは怖い。
「もう少し考えてから」「今はまだそのときではない」と、自分に言い聞かせてしまう人は少なくない。
もちろん、勢いだけで仕事を辞めたり、大切な関係を切ったりすればいいわけではない。
しかし、変えたいという気持ちを何年も見ないふりし続けていると、時間だけが過ぎていく。
そしてある日、「あのとき動いていれば」と振り返ることになる。
では、変えたいと思いながらも動けないとき、何を判断の手がかりにすればいいのだろうか。
「変化を起こす」と幸福度が高まる
そのヒントになるのが、次の興味深い実験である。
何でもいいから「変化」を起こす
経済学者のスティーブン・レヴィットは、仮想的なコイン投げを用いた実験によって、人生に大きな変化を起こすことの影響を調べた。
実験では、「仕事を辞める」「恋愛関係を終わらせる」などの決断に迷っている被験者に、コイン投げの結果に基づいて決心するよう促した。
2か月後と6か月後に追跡調査を行ったところ、人生に変化を起こした人は、コイン投げが決断に影響を与えたかどうかにかかわらず、幸福度が高かったことがわかった。
この研究は、人は大きな決断に対して慎重すぎる傾向があること、大胆な変化を起こせば幸福度が高まる可能性があることの2つを示唆している。
もちろん、変化なら何でもよいわけではない。
順調に進んでいることまで無理に変える必要はないし、大きな決断には準備も必要だ。
それでも、自分のなかで何度も気になっていることがあるなら、その気持ちを「いつか」と先延ばしにしないことは大切だ。
大切なのは、人生を一日で変えるような大きな決断をすることではない。
変えたいことに目を向け、次の一歩を踏み出すことだ。
人生には、考えているだけでは見えてこない答えがある。
迷い続けていることがあるなら、未来の自分がどう感じるかを想像してみよう。
そして、今できる小さな行動を一つだけ始めてみる。
その一歩が、これからの毎日を変えるきっかけになるかもしれない。






