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最前線で働くビジネスパーソンが押さえておきたい、時代の変化とその背景を理解する上で欠かせない注目書籍を作家で元外交官の佐藤優さんが厳選する。タイパ重視の若い世代にぴったりな情報取得法とは?社会人1年生の教育に当たる先輩社員も押さえたいビジネスの基礎とは?また、本当に仕事ができるビジネスパーソンが無意識のうちに身に付けている思考法とは?『知の本棚』『ビジネス基礎 新訂版』『読むだけでわかる「積分」』の3冊から「ここだけは読んでほしい重要な箇所」を紹介する。(作家、元外務省主任分析官 佐藤 優)
池上彰氏が若い世代に訴える
タイパ重視にぴったりなのは「読書」
『知の本棚』は、ジャーナリストの池上彰氏による優れた読書指南書だ。コスパ、タイパを重視する若い世代の「常識」を逆手に取って、書籍の効用を訴える。
池上彰著『知の本棚』新潮新書、2026年5月刊行
〈最近の若者たちは「タイパ」(タイムパフォーマンス)を重視しているようです。短時間で大量の情報を効率的に得たいというわけです。実はそのためには読書こそぴったりの道具なのです。
たとえば、ある情報や視点などを得ようとしたときに、人の話を聞いたり、ネットの動画を見たりしても、時間がかかる割には大した情報が得られません。でも書籍なら大量の情報をまとめて得られるのです〉(4ページ)
若い世代を見ていると、「本を読まない」のではなく、読みたいと思っても読めないのだ。中学・高校・大学で訓練を受けていないと、読書はそう簡単にできない。
「本を読めない人々」はオーディオブックやポッドキャストで情報を得ようとする。しかし、アナウンサーは1分間に300文字の情報しか伝達することができない。大学の授業は1コマ90分なので、教師が90分間、しゃべり通したとしても2万7000字だ。これは新書本に換算すると30ページ程度だ。読書慣れした人ならば15分で精読できる。音による情報と比較して本だと6倍の情報を入手することができるのだ。この意味でも情報収集における書籍の位置が今後下がることはない。







