私の知人にもそういう人がいるのですが、かといって、こういう人は、人間が悪いとかだらしがない、というのではないのですね。一言で言えばその仕事に対する愛情が足りないのだと、私はそう思うのです。
一生懸命に打ち込む、この仕事をなんとかしたい、という気持ちがあれば、飽きるということはないのです。やりたいという気持ちがあれば、仕事の方から、逃げて行くことはないのです。仕事はいつだって、あなたの気持ち次第なのですね。ですから、仕事はあなたに応えてくれるのです。
先ほど、私にとって、生きることは仕事をすることだったと申しましたが、ほんとうにね、私のね、この長い人生を支えてくれたのは、仕事でした。
毎日、毎時、かたときも忘れることのないこの仕事への気持ち、一種の執念ともいえる仕事に対する思いが、私の人生を支えたのです。
自分で工夫するから
仕事は面白くなる
私にとって働くことくらい面白いことはない、と言うことです。但しこの「働くこと」と言うのには、或る但し書が必要なのですけど、(それは自分の工夫したことを、自分の工夫した通りの方法で働くことなのです。他人の工夫した方法でなく、自分の工夫した方法――考えようによっては、これくらいわがままな、手前勝手な働き方はないのですけれど、しかし、面白くて堪らない働き方と言う部類に属するには、こう言う但し書が必要でした)とにかく荷車を曳いて暗い夜明けの道を買出しに行くのにでも、それが自分の工夫した方法によるのでしたら、その愉しさは喩えようがないのでした。
何かを始めると思いがけず
次のことが始まる
仕事というものは、まず何かに手をつけると、その一つのことから、思いもかけない次のことが始まります。ただし、どんな仕事をするときにも、一生懸命でなければなりません。
私の経験では、一生懸命にすることは、その仕事をしている途中で、いろいろな工夫をしたり、新しいことを考え出したりして、とてもおもしろくなるものだからです。







