上司はなぜ、あなたが嫌だと思う仕事を振ってくるか。一番可能性が高いのは、上司によるあなたへの理解不足。朝の挨拶の後、現状報告を続けるのがおすすめだ。本稿は、山本大平『嫌な仕事のうまい断り方』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。
そもそも、嫌な仕事は断っていい
プライベートの誘いでも同じ
仕事を断りにくいと感じることもあるでしょう。
しかし、大前提として、仕事は断ってもいいものです。無理なことはできないのですから、引き受けてしまって「やっぱりできませんでした」となるよりは、最初の段階で断るほうが、責任感が強いともいえます。
これは、プライベートの誘いでも同じです。
どこかへ遊びに行くのに誘われたら、誘われたことそのものには感謝しつつ、行くか行かないかは自分で決めるはずです。仮に、誘われた日にこれといった用事がなかったとしても、気が乗らなかったり興味を持てなかったりしたら、断るのは自由です。
それと同じ自由が、仕事にもあるだけです。
そうであるにもかかわらず「どんな仕事も断ってはいけない」と思い込んではいないでしょうか。思っているのであれば、それは勘違いです。むしろ「どんな仕事も断っていい」のです。
嘘だと思うなら、試しに一度、断ってみてください。
断ったところで、ほとんど何も変わりません。あなたがその仕事を断ったからといって、部内の業務が回らなくなるなんていうことはありません。その瞬間から社内に居場所がなくなることも、給与が激減することも実はありません。
ただ、周りには「この人は、仕事を断ることもある人なんだな」と思われるだけです。そしてこの認識の変化こそが、あなたを助けます。
上司があなたを知らないから
嫌な仕事を依頼してくる
何かに対して「いいですよ」「できますよ」と答えるのに比べると「ダメです」「できません」と答えるのは、あまり気分のいいものではありません。
やはり人間、ノーと言うよりイエスと答えるほうが、気持ちが楽なのです。
なので、嫌な仕事を依頼されて断るくらいなら、そもそも、嫌な仕事を依頼されずにすむように、予防策を講じておきたいと思うのは、なんら不思議なことではありません。
では、その予防策とはどのようなものでしょうか。
そもそも、上司はなぜ、あなたが嫌だと思う仕事を振ってくるのか。
あなたに期待しているから、あなたならできると思っているから、あなたになら頼みやすいから、あなたがたまたま近くにいたから……いろいろな可能性があります。