思考渋滞にはまっているのだから、私たちの力は半分以下になっています。「ちゃんと書かなければ」「きれいにまとめなければ」と思う必要はありません。自分がいちばんラクにアウトプットできる方法を選んでください。
書き出したら、一つひとつに問いかけてみます。
「これは自分が体験したことか、それとも誰かから聞いたり調べたりしたことか」
比較表で言えば、「年収が高い」は転職サイトのデータ、つまり無色情報。「あの担当者の雰囲気が好き」は自分が感じたこと、つまり有色情報です。
仕分けすると、多くの場合は頭の中のほとんどが無色情報で占められていることに気づけます。それ自体はまったく問題ではありません。「私の頭の中は、いま無色情報でいっぱいなのだ」とわかるだけで、次に何をすればいいかが見えてきます。
「自分にしか理解できない」が
あなたのスイッチかもしれない
ただ、有色情報をすぐに集めに行けないこともあります。思考渋滞にはまっているのだから、当然のことです。無理に切り替えなくていい。人間だから、大きな変化を起こすのは誰でも面倒です。
そういうときに役立つのが、自分の感情を呼び起こすスイッチです。
情報渋滞にはまりやすい人は、思考優位のことが多いです。「すべきこと」で考えられる、責任感があり、役割で動ける人です。だからこそ、「したいこと」「感じること」が置き去りになりがちなのです。感情は、意図的に呼び起こすと無理なく進みます。
私にとってのスイッチは、好きなミュージシャンのインタビュー記事を読むことです。GLAYのTAKUROさんは、Billboard JAPANのインタビューでこんな話をしていました。
その子が大きくなったら、それはそれで悩みも出れば、トラブルもあって。あの時に理解した愛情が、ここでは全然役に立たないぞ!となる。そこで『じゃあこの人たちは自分の愛情では治らない傷を持ってるのか?』『それはどんな愛なんだ?』って思ってしまう。だから……わかったつもりでいても、やっぱりわかんない。50(歳)を過ぎても。(GLAY・TAKUROインタビュー、Billboard JAPAN、2024年10月)
GLAY・TAKUROの言葉が
視点を変えるスイッチに
私は「考えがよく変わること」にコンプレックスがありました。軸がないのではないか、ブレているのではないかと。
でもこの言葉に出会ってから、自分の性格は「柔軟性がある」と思えるようになりました。「知識を増やすことを愛しているから考えが変わる」とも思えるようになり、「だから自分にとってちょうどいい考えや行動が見つかるのだ」とわかったのです。
『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(佐野創太、あさ出版)
これは私がTAKUROさんのファンだからここまで考えるのであって、そうでない人にはまた別のスイッチがあるはずです。自分専用のスイッチを、見つけてほしいのです。
好きな音楽を聴くことかもしれない。好きな本を開くことかもしれない。散歩に出ることかもしれない。あるいはポートフォリオを広げて、自分の好きな色を眺めることかもしれない。発信に見えるものでなくていい。誰かに見せるものでなくていい。
1つだけ、お願いがあります。自分以外のどこかの誰かの無色情報に頼ろうとしないでください。自分の思考や感情までステップやハックで捉えようとしないでください。
「これは自分にしか理解できないことかもしれない」と不安がよぎったのなら、それがあなたのスイッチなのです。







