パソコンを前に考え込む女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「考える力がある人」ほど動けなくなることがあるという。なぜ、そんな事態に陥ってしまうのか。思考の流れを整理する。※本稿は、退職学(R)研究家の佐野創太『「考えているのに進めない」がなくなる 思考渋滞から抜け出す方法』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

ちゃんと考えているのに……
なぜか動き出せない人たち

 思考渋滞に陥る人を見ていると、いつも思うことがあります。

「この人は、考える力がある」

 考える力があるとは、こういうことです。いろいろな時間軸で考えられる。いまだけじゃなく、過去も、未来も見ている。可能性を考えられる。

「こうなったらどうしよう」「あんなことも起きるんじゃないか」と想像できる。他者の視点で考えられる。

「あの人ならどう思うだろう」「家族は」「お世話になった人は」。自分以外の誰かの立場に立てる。これはすべて「考える力」です。

 キャリア相談で、こんな言葉を聞くことがあります。

「選択肢をあれこれと吟味しすぎて、動き出せないんです」

「いろいろ考えすぎて、軸がブレブレになってしまいました」

「情報を集めれば集めるほど、決められなくなってきました」

「自分は頭が悪いんじゃないか」「ちゃんと考えられていないんじゃないか」

 そう思っているかもしれません。でも、それは誤解です。私たちは、ちゃんと考えています。むしろ、考える力があるからこそ、動けなくなっているのです。