部下から「それって不公平じゃないですか」と言われたとき、どう返すでしょうか。「そんなことはない」「みんな公平に扱っている」と、つい否定したくなるかもしれません。しかし、上司が公平だと思っていることと、部下が公平だと感じることは、必ずしも同じではありません。だからこそ、まず自分の考えを伝えたうえで、相手が何に不公平さを感じているのかを聞くことが大切です。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、部下から「不公平じゃないですか」と言われたときのリーダーのふるまいを解説します。

部下に「不公平じゃないですか」と言われたとき、上司が返すべき一言・ベスト1Photo: Adobe Stock

すぐに否定したくなるが、それだと話が終わらない

「私ばかり大変な仕事が多くないですか?」
「なんで私だけ5件なんですか?」
「部下の指導、全部私なんですか?」

こう言われると、上司はつい「そんなことはないよ」「みんな公平に扱っているよ」と返したくなります。
自分なりに考えて仕事を割り振っているのに、「不公平」と言われると、自分の判断を否定されたように感じることもあるでしょう。

でも、すぐに否定してしまうと、部下が何を不公平だと感じているのかがわからないまま話が終わってしまいます。

公平とは、全員を同じにすることではない

まず整理しておきたいのは、職場での「公平」とは、「全員に同じように仕事を振ること」ではない、ということです。

人によって能力も経験も強みも違います。得意な仕事も違えば、任せられる仕事の範囲も違う。
それぞれに合わせて仕事の任せ方や指示を変えることは、不公平ではありません。

一方で、上司が公平にしているつもりでも、部下にはそう見えていないことがあります。
いつも同じ人に難しい仕事が集中している、特定の人だけ負担が軽く見える。
その理由が伝わっていなければ、部下は「なぜ自分だけ」と感じます。

上司自身が気づかないうちに、仕事の任せ方に偏りが出ている場合もあります。

では、どう返せばいいのでしょうか。

まず伝えたいのは、この一言

「公平って、全員に同じように仕事を振ることではないと思っている。人それぞれ、能力も経験も強みも違うから、それに合わせて仕事の任せ方や指示も変えているつもり。でも、不公平だと感じるところがあったのなら、そこは教えてほしい。私も気づいていないことがあるかもしれないし、今後にも活かしたいから」

大切なのは、自分の考えを伝えるだけで終わらず、部下がどう感じているのかにも耳を傾けることです。
話を聞いた結果、偏りがあれば見直す。理由が伝わっていなければ説明する。誤解であれば丁寧に伝える。

「不公平ではない」と一方的に否定せず、自分の考えを伝えながら、部下の感じ方にも耳を傾ける。
その両方を持つことが、上司には大切です。