部下から「あの人とは性格的にどうしても合いません」と相談されたとき、どう返すでしょうか。「仕事なんだから我慢して」「もう少し仲よくして」と言いたくなるかもしれません。しかし、価値観も仕事の進め方も違う人が集まる職場で、全員と気が合うことを求めるのは現実的ではありません。大切なのは、無理に好きになることではなく、合わない相手とも仕事に必要な関係をつくることです。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、部下から「性格的に合わない」と言われたときのリーダーのふるまいを解説します。
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「仲よくして」と言うだけでは解決しない
「Aさんとは性格的にどうしても合いません。一緒に仕事をするのがつらくて……」
部下からこう言われたとき、「仕事なんだから我慢して」「そんなこと言わずに仲よくやって」と返してしまう上司がいます。
気持ちはわかりますが、それだけで関係を改善するのは、簡単ではありません。
部下が感じている「合わない」という感覚を、精神論だけで変えるのは難しいからです。
「合わなくていい」という前提から始める
まず上司が理解しておきたいのは、職場の全員と性格が合う必要はないということです。
育ってきた環境も、価値観も、仕事のスタイルも違う人たちが集まっているのが職場です。
合わない人がいること自体は、珍しいことではありません。
もちろん、仲よくできればそれに越したことはありません。
でも、大切なのは「仲がいいか悪いか」ではなく、業務に支障が出ているかどうかです。
相手のことが苦手でも、報告・連絡・相談が必要なときにはきちんと行う。
それができていれば、無理に仲よくする必要はありません。
個人的な感情と仕事上の行動を混同しない――これが職場の人間関係を考えるうえでの出発点です。
「プロとしての距離感」を伝える
そのうえで、こう伝えてみてください。
「そうね、職場ではどうしても性格が合わない人はいるからね。ただ、個人的に合わないことと、仕事上の協力は分けて考えてもらいたい。必要なときにはきちんとやり取りをする。それ以外では、無理せず適度な距離を保つ。そういう『プロとしての距離感』で仕事をしてもらいたいと思っている」
感情をなくすことではなく、感情を仕事になるべく持ち込まないということです。
仕事に支障が出ているなら、上司が役割分担を見直したり、連絡をビジネスチャットに切り替えたり、間に入ったりして調整することも必要です。
「合わない」という部下の感情を否定せず、それでも業務上必要な関係は保ってもらう。
その線引きを、上司自身が持っておくことが大切です。








