米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始すると、市場はすぐに心配し始める。「いったい何が壊れるのだろうか」と。2022年に始まった前回の利上げサイクルでは、「壊れた」ものの一つは地方銀行だった。シリコンバレー銀行などは低コストで集めた預金を低利回りの債券に投資していたため、利回りの上昇に伴う債券価格の急落を受けて資本が欠損し、顧客資金の流出につながった。そして、23年前半に小規模な銀行危機に見舞われることになった。だが、今の米国の銀行業界は、4年前とはいくつかの重要な違いがある。銀行は以前から保有している債券で数十億ドルの含み損を抱えており、利回りが上昇すればその損失がさらに拡大する可能性がある。しかし、銀行の規模や資本と比べたこうした債券の割合は縮小しており、ポートフォリオの中身も期間の短い債券にシフトしている。