ギャンブルを楽しむには
どうしたらいいのか

 負けると賭け金を増やすのは、優れたギャンブラーなら避けることの多い行為である。それは数学的な根拠によるものではなく、むしろギャンブルの心理的側面からのものである。

 ギャンブルと長く、しかも比較的上手に付き合ってきた人々のマネー・マネジメントを聞いてみると、勝ったときに賭け金を増やし、負けたときには減らすやり方が圧倒的に多い。ギャンブルというものは、連勝や連敗とうまく付き合う性質のものだと割り切っているフシすらある。

 連敗とうまく付き合えないギャンブラーは、少しずつ勝ってたまに大きく負ける「破滅型ギャンブラー」として、少々危険なプレイヤーだと述べた。賭け金がずっと同じレベルなら、まだ不安要素は少なめと考えられるが、このタイプのギャンブラーは、借金が増えるにつれて、だんだんと賭け金を上げていくものである。この賭け金の増加は、ギャンブル依存症の“予備軍”である可能性をもつ。

 マネをする必要はないが、本章では筆者のコマの上げ下げとマネー・マネジメント・システムを紹介した。まとめるなら図表VII-2のようになる。

図表VII-2 櫃者の考える「コマの上げ下げ」と「マネー・マネジメント・システム」同書より転載 拡大画像表示

 これを実践すると、軍資金がゼロになる頻度は増えるだろう。しかし、たまに起こる大勝ち時の金額も増えることになろう。どのみち胴元の控除分くらいは、平均して損をすることは数学上の理である。

 なんのためにギャンブルをするのか――。その理由が立場によって同じでないのは確かであるが、経験上、優れたギャンブラーたちほど、ほとんどのケースで「楽しむ」ためにギャンブルをプレイしていることは間違いない。大多数の人は、楽しむためにギャンブル場に行くのであり、決して苦しむために行くのではないことがわかれば、あなたは良いギャンブラーになれる。