ポーカーテーブルに並べられたトランプとチップ写真はイメージです Photo:PIXTA

「ギャンブルは胴元が儲かるようにできている」――それでも、ギャンブルだけで生計を立てるプロは存在する。彼らは運任せに賭けているわけではない。スポーツ・ベッティングでは「客に有利な瞬間」を見極め、ポーカーでは「勝てる相手」ではなく、別のところに勝機を見いだす。プロは一体、どこを見て賭けているのか。知られざる「勝てる賭け」の仕組みに迫る。※本稿は、社会学者の谷岡一郎『ギャンブルのからくり』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。

「ギャンブルのプロ」は
存在しうるか?

 ギャンブルというものは通常、胴元が有利になるように設定されている。

 しかし、まれに自身に有利な状況を見出し、儲けることのできるプロが存在しうる。ブラックジャックでまれに出現する「プレイヤー側に有利な残りカード(カウンティングによる、期待値100%を超える状況の判断)」はその例の1つだが、スポーツ・ベッティングもまた、プロのギャンブラーが存在しうるアイテムである。

 そして、実際に存在するのだ。むろん、イカサマ師などではない。

 ブッキー(編集部注/ブックメーカー)たちはたとえばPS(編集部注/Point Spread=ポイント・スプレッド、試合の実力差を調整するハンディキャップ)を決めるにあたって、「どちら側も同じくらい売れるよう」に計算して決定する。ところが、大衆の人気には偏りが存在するため、「同じくらい売れること、すなわち実力が同じ」とは限らないケースがある。

 たとえば、東京都内で、プロ野球「読売ジャイアンツvs.広島東洋カープ」のPSが「ジャイアンツ -1 1/2点」だと想像してもらいたい。ジャイアンツが2点差以上で勝つことが求められる、野球にしては少々重いハンデであるが、スポーツ・ベッティングのチケット的には、これでバランスがとれる可能性がある。