サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は今年、幸先の良いスタートを切っていた。ホワイトハウスを訪問したばかりで、ドナルド・トランプ米大統領から歓迎を受けていた。イラン戦争が始まった後でさえ、サウジアラビアは比較的有利な立場にあるように見えた。封鎖されたホルムズ海峡を迂回(うかい)するパイプラインを通じて石油を輸出できたからだ。しかし、隣国イエメンの親イラン武装組織フーシ派との戦闘激化により、サウジアラビアの安全保障と、ムハンマド皇太子が掲げる野心的で既に苦戦している石油依存型経済の転換計画に新たな課題が突きつけられている。10日には少なくとも1発のフーシ派からのミサイルがサウジアラビアの首都の国際空港に撃ち込まれ、少なくとも12人が死亡、数百人が負傷した。これは、イラン戦争に関連して米国またはその湾岸同盟国に対する単独攻撃としては最悪の被害となった。攻撃について説明を受けた複数の当局者によると、エジプト人客室乗務員(28)は腕を吹き飛ばされて出血多量で死亡し、他にも手足を失った複数の被害者がいたという。