ETC専用レーンと一般レーンに並ぶクルマ Photo:PIXTA
風呂キャンセル界隈、外出キャンセル界隈。世の中には、当たり前のことをやめてしまう人たちが存在します。こうした界隈は若者ばかりだと思っている人が多いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。クルマの世界には「ETCキャンセル界隈」が存在します。国土交通省によると、現在のETC利用率は約95%で、100%には至っていません。高速道路の料金所で、あえて現金決済を選ぶ人は何を考えているのでしょうか。(編集者 高橋満)
とても便利なはずの
ETCを「あえて使わない」ワケ
一昔前までは「無くて当たり前」だったのに、一度使うと便利で手放せなくなるものが、世の中にはたくさんあります。
その代表例が、インターネットやスマートフォンです。今の時代に、ネットを一切使わない人や、ガラケーを普段使いしている人は、かなりの少数派だと言えます。
高速道路の電子料金収受システム(ETC)も、その一つではないでしょうか。
かつての高速道路では、平日の朝夕や休日に、料金支払いのための渋滞が常態化していました。ひどいときは数kmもの渋滞が発生することも。でも私たちは「それが当たり前だから仕方がない」と、渋滞の列に長時間並んでいたものです。
この状況を変えたのがETCです。
時系列を整理すると、日本で初めてETCの導入試験が行われたのは1997年3月。そして、2001年3月の千葉・沖縄地区を皮切りに、ETCの一般利用が広がっていきました。
ただし、ETCを利用するには車載器を購入する必要があります。ETCカードの中には年会費がかかるタイプも存在し、場合によっては費用がかさむため、当初は普及のスピードが比較的緩やかでした。
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そうした中、2009年3月に地方部の高速道路で始まった、ETC利用者向けの「休日特別割引」が大きなインパクトとなりました。対象となる乗用車などは、土日祝日の通行料金が上限1000円になるという施策です。これにより、利用をためらっていた人々にもETCが普及していきました。
一度ETCの利便性を味わうと、元にはなかなか戻れないもの。上記の割引施策が終了した後も、ETC利用率は増加。2016年にはETC利用率が90%の大台に乗り、2026年7月現在、ETC利用率は95.8%に達しています(いずれも国土交通省調べ)。
ただし裏を返せば、2026年7月時点で、高速道路の通行台数の4.2%はETCを利用していないことになります。なぜ未だにETCを使わず、現金決済にこだわる層が存在するのでしょうか。
今回は、取材や調査を通じて分かった「ETCキャンセル界隈」の本音に迫ります。







