税の自然増収を消費減税の財源にしてよいか?「赤字国債に頼らず」は本質問題ではないPhoto:SANKEI

消費税減税法案の審議始まる
首相は財源「心配要らない」と言うが

 高市早苗首相は10月5日の所信表明演説で、飲食料品の消費税減税について、赤字国債に頼らずに財源を確保するとの方針を示し、「ご心配には及びません」と述べた。しかし、具体的な財源の内容は明らかにされなかった。

 これに対して、「財源を示さずに減税を約束するのは無責任だ」との批判が起きている。この批判はポイントの一つだが、しかし、単に「財源が示されていない」と批判するだけでは、問題の本質を捉えたことにならない。

 重要なのは、どのような財源を利用するのか、そして、その財源によって減税しても財政の健全性が維持できるのか、ということだ。

 財源として考えられるものとしては、歳出削減や他の税目の増税、税制優遇措置の見直し、税収の自然増などがある。このうち、今後とりわけ問題になりそうなのが「税収の自然増」だ。

 日本の税収は、近年、物価上昇や名目賃金の上昇、企業収益の拡大などによって増えている。この増収を利用すれば、追加的な赤字国債を発行せずに減税を実施できるように見える。

 しかし、税収が自然に増えたことは、新たな減税に利用できる財源が生まれたということを必ずしも意味しない。

 インフレで税収が増える場合は、いずれ人件費や利払い費などの歳出が増えるし、自然増収で赤字国債を発行しなくても財政が悪化する場合はあるからだ。