【基金】7兆円を取り崩せば消費税減税の財源になる?国債発行を抑えても純債務が増える財政のカラクリPhoto:JIJI

連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは「基金」です。政府は消費税減税の財源として基金の見直しを進めています。2027年度末の残高は約7兆円に上る見込みですが、全額を減税財源に使えるわけではありません。さらに、基金を取り崩して国債発行を抑えても、政府の純債務は改善しません。基金の仕組みと財源活用の問題点を解説します。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

消費税減税の財源に浮上した「基金」
7兆円の残高はどこまで使えるのか

 今回のキーワードは「基金」です。

 政府は2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を現在の8%から1%に引き下げ、所得に応じた「就業者負担軽減支援金」と組み合わせる方針です。

 問題となるのが財源です。減税と給付を合わせて年間約5兆円が必要とされますが、政府は赤字国債の追加発行に頼らず、既存の歳出や税制の見直しなどによって財源を確保する考えです。

 そこで財源の一つとして注目されているのが、国の予算から資金を積み立てた基金です。片山さつき財務相は10月9日、27年度末の基金残高が約7兆円に上る見通しを示し、基金に滞留している資金の国庫返納を進める方針を明らかにしました。

 基金とは、特定の政策目的を実現するため、あらかじめ資金を積み立て、複数年度にわたって事業を実施する仕組みです。

 国の一般会計予算は原則として毎年度、国会で審議・議決されます。年度内に使い切らなかった予算は、翌年度への繰り越しなどの手続きを取らなければ、自由に使うことはできません。

 これに対して基金では、国が独立行政法人や公益法人などに資金を交付し、それらの法人が複数年度にわたって事業を実施します。国から基金に資金を交付した段階で国の歳出として計上され、その後、基金から企業などに支払われる資金は、原則として改めて一般会計の歳出には計上されません。

 次ページでは、具体的な例を挙げながら、消費税減税の財源としての可能性を検証します。