ラピダス#3Photo by Kinji Abe

次世代半導体の量産を目指すラピダスは26日、インドIT企業大手のHCLテックと提携し、インド南部のベンガルールとフブリの2カ所に開発センターを設立したと発表した。ラピダスの小池淳義社長が同日午前(現地時間)、ニューデリーにある提携先のHCLテックの本部を訪問し、記念式典も開かれた。特集『ラピダス』の本稿では、ラピダスがインドに拠点を開設する狙いに加え、背景にある日印政府の半導体を巡る思惑についても解説する。(ダイヤモンド編集部上級編集委員 阿部欣司)

ラピダスがインドで初の設計開発拠点を設立
提携先は世界のIT企業支える「黒子の巨人」

 次世代半導体の量産を目指すラピダスは、インドIT企業大手のHCLテックと提携し、インド南部のベンガルールとフブリの2カ所に開発センターを設立した。26日午前(現地時間)、ラピダスの小池淳義社長が、ニューデリーにある提携先のHCLテックの本部を訪問し、記念式典も開かれた。

 ラピダスは2027年度後半に2ナノ世代の半導体を量産する目標を掲げ、開発を急ピッチで進めている。ただし量産に至るにはまだ技術的な課題が多く残されているとされ、高度なエンジニア人材の獲得は急務だ。また、製造を支える設計分野の強化にも注力しているが、世界的なAI需要の増加で、高い技術を持つ人材は世界的に逼迫している。

 そこでラピダスが提携先として早くから目をつけていたのが、インドだ。世界最大となる14億人超の人口を抱え、モディ首相が「メイク・イン・インディア」政策を掲げて半導体開発の強化を進めている。そのためインドでは多くの優秀な若手がIT・半導体業界に向かう傾向があり、ラピダスとしては、その“人口ボーナス”の恩恵を受ける形で、課題の「人材不足」を克服したい狙いがある。

 小池社長も数年前からたびたびインドを訪問し、人材と市場という“2つの獲得”を視野に入れ、インド進出の準備を進めてきた。ラピダスの社外取締役にインド出身で半導体業界に精通するシバ・シバラム氏が参画していることも、その布石ともいえる。

 また、ラピダスのインド進出の背景には、日印政府の連携の動きもある。