笑顔でおやつを食べる高齢女性2人写真はイメージです Photo:PIXTA

高齢になって食が細くなったり、食事の準備が億劫になったりすると、つい簡単なもので済ませがちになる。しかし、食べる量や栄養が不足した状態が続けば、筋力や体力の低下にもつながりかねない。料理に手間をかけず、必要な栄養を無理なくとるにはどうすればいいのか。医師が解説する。※本稿は、産業医・内科医の森勇磨『年金暮らしでもお金をかけずにできる0円予防医学』(高橋書店)の一部を抜粋・編集したものです。

一人暮らしは
「低栄養」に要注意

「一人だと、ついお茶漬けと漬物だけで済ませてしまうんです」

 これは、病院でもかなりよく耳にする言葉です。配偶者を亡くしたあとや、お子さんが独立されたあと、一人で食事をする日が続くと、どうしても食事が簡単なものになりやすくなります。

 すると、食べる量だけでなく、食事の内容も偏りやすくなります。

 高齢になると食欲が落ちたり食事の支度が億劫になったりして、低栄養に傾きやすくなります。

 実際、日本では高齢者の低栄養傾向は少なくありません。低栄養が続くと筋肉が減りやすくなり、体力や免疫力の低下を招き、フレイル(年齢とともに体や心の元気が弱ってきた状態)の進行にもつながります。

 でも、ここで大切なのは、「きちんと料理をしなければいけない」と思い込まないことです。

 必要なのは、「ちょい足し」の発想です。

 たとえば、目玉焼きをプラスする。それだけでも、タンパク質をしっかり増やすことができます。さらに納豆を1パックつければ、タンパク質の摂取をもうひと押しできます。