今はまだ健康な人にも効果的!高齢者のQOLを爆上げする「腎臓リハビリ」のすすめ【専門医が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

高齢になれば体力も衰え、やりたいことも自分ではなかなかできなくなってしまうもの。しかし、そうなる前に打つ手はないのだろうか。腎臓のリハビリを専門とする医師が、健康寿命を伸ばす生活習慣を解説する。※本稿は、上月正博『東北大学病院が開発した 弱った腎臓を自力で元気にする方法』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。

腎臓リハビリをすることで
腎機能以外の機能も回復

 腎臓に大なり小なりの病気をかかえていた患者さんのお話ですが、みなさん口々に腎臓リハビリ(編集部注/腎機能の回復や維持、腎臓病予防を目的とした治療法)に取り組んだことで充実した生活を送れるようになったとおっしゃっています。

「仕事に復帰できた」「病院での検査結果が良くなった」「ダイエットに成功した」「新しい趣味ができた」「友だちができた」「孫と遊べる体力がついた」「更年期の症状が治った」――なかには一見すると、因果関係のなさそうなことも含まれていますよね。

 しかし、まったく無関係ではありません。

 意外に思われるかもしれませんが、腎臓リハビリというのはQOL(=Quality of Life)と称される“生活の質”や“人生の質”も豊かにすることができる包括的リハビリテーションなのです。

 もちろん、腎臓の病気や透析治療における身体的な影響や精神的な影響を軽減させたり、腎機能の回復や維持によって生命予後を高めたりする効果もあります。