洗濯物を畳む高齢女性写真はイメージです Photo:PIXTA

運動や健康管理のために、特別な道具やお金が必要だと思っていないだろうか。医師によれば、毎日の入浴で体を整えたり、掃除や洗濯、料理といった家事で体を動かしたりすることも、健康づくりにつながるという。いつもの暮らしの中で無理なく実践できる、体を守る工夫を紹介する。※本稿は、産業医・内科医の森勇磨『年金暮らしでもお金をかけずにできる0円予防医学』(高橋書店)の一部を抜粋・編集したものです。

「シャワーだけ」では
もったいない理由

「最近はシャワーで済ませることが多い」

「湯船につかるのが、なんとなく面倒……」

 こうした声は、年齢を問わずよく聞かれます。

 忙しさや体力の問題、一人暮らしの不安。理由はさまざまです。

 けれど医師の立場から見ると、湯船につからない生活は、回復の機会を1つ失っている状態でもあります。

 お風呂は、ただ体を清潔にするだけの時間ではありません。

 血流・筋肉・神経を“まとめて整える時間”になります。

 40度前後のぬるめのお湯に10分ほどつかると、体の中ではまず血管が広がります。

 血管が広がることで、全身の血流がゆるやかに増え、筋肉にたまっていた疲労物質が流れやすくなります。

「お風呂に入ると体が軽くなる」

 この感覚は、気のせいではありません。血がめぐり直した結果なのです。

 湯船につかる体力がないときは、洗面器やバケツで足湯をするだけでも、血流改善とリラックス効果が得られます。

水圧と浮力が
体を楽にする

 湯船に体を沈めると、水圧が全身にまんべんなくかかります。