自分にできることは何でもやる

 あきらめるだろうか。中止するだろうか。会場を変更するだろうか。

 その男は何を血迷ったのか、1人で立川の駅前にのぼりを持って立ち始めた。そして、1人で朝の8時〜9時の1時間、イベントに対する思いを、駅前で人々に語り始めた。

 最初は誰も相手にしなかった。

 時には「うるせえ!」と、罵声をあびせられることもあった。

 それでも彼はあきらめず、毎日思いを伝え続けた。

 そんなある日、その活動がYoutubeにアップされた。映像をきっかけに、多くの人がイベントを知ることになる。

 そして、Youtubeの閲覧数は、3万人を超えていった。街行く人も1人、また1人と足を止め、耳を傾け、イベントに興味を持ち、チラシをもらってくれる人が増えていった。

「キミの本気を感じたよ。イベントに行くよ!」

 そんな言葉をもらえることも多くなった。

 その頃には、最初は反対し「無理だ」と決めつけていた人たちが、

「こんなに真剣だと思わなかった! よし、わかった応援してやる!!!」

 と本気の支援者へと変わっていった…。

 そして、なんと、当日は満席になったという。

 たった1カ月で1400人近くの人が集まり、イベントは大成功で終わったのだ…。