ヤンゴンの不動産市況がすごいことになっている。
ヤンゴンの不動産市況は、東南アジアの他の中核都市であるバンコクやクアラルンプールはおろか、シンガポールさえも上回る高騰した状況になっている。公表される一人当たり名目GDPが835ドル(2012年 ミャンマー中央統計局)のミャンマーが、同5万1161ドル(2012年、IMF)と60倍以上もの差があるシンガポールの不動産市場価格を上回る状況になっているのだ。
はたして、なぜこのような状況になっているのだろうか。それがもたらすインパクトは何か、またその中でどのようにビジネス機会をとらえればいいのか。今回から複数回かけて、不動産関連業界の動向をレポートする。まず、不動産市場レポートの第1回として、現地の街区の説明と、コンドミニアム、サービスアパートメント、オフィスの市況について説明する。
ミャンマーの不動産を知るための
街並み基礎知識
ヤンゴンは、エーヤワディー川とその支流に囲まれた緑豊かな街だ。ヤンゴン地域は4つの地区(District)に分かれており、その中に45の郡区(Township)が存在する。その45の郡区のうち、33がヤンゴン市内に位置する。
ちなみに、ヤンゴン地域の人口は約700万人で、2010年時点のミャンマー全土の総人口5913万人(2010年ミャンマー中央統計局調べ)の約12%がヤンゴン地域に居住しており、人口及び総人口に占める割合ともに、今後、都市化が進むにしたがって高まっていくと予想されている。