1年に4回以上医療費が高額になると
さらに1ヵ月の上限額が引き下げられる!
健康保険には高額療養費があるので、前ページのAさんは100万円医療費がかかっても自己負担は約9万円でした。でも、これが何ヵ月も続いたらどうでしょうか?
慢性骨髄性白血病の患者Bさんは、医師から病名を告げられたとき、病気の不安もさることながら、「どうやって治療費を払えばいいのか」と目の前が真っ暗になりました。
一昔前まで不治の病といわれていた慢性骨髄性白血病(CML)は、イマニチブ(商品名グリベッグ(R))という薬が発明されてから飛躍的に治療効果が高くなっています。副作用も少なく、グリベッグを飲み続ければ、日常生活を送りながら天寿を全うすることも可能だといわれています。問題は、この薬の価格が非常に高額だということです。
グリベッグの価格は1錠当たり2749円(2013年現在)。成人の慢性期患者は、1日に4錠服用するのが一般的なので、保険適用前の1ヵ月の薬代は約33万円にも及びます。ほぼ一生この薬を飲み続けなければならないので、高額療養費によって1ヵ月の負担が約9万円(70歳未満で一般的な収入の場合)になっても患者の経済的負担は相当なもの。そこで、長期療養が必要な患者の負担を軽くするために、高額療養費には多数回該当という制度も用意されています。
多数回該当は、直近1年以内にたくさん医療費がかかって高額療養費が適用された月が3回以上あると、4回目からは1ヵ月の自己負担の上限がさらに引き下げられるというもの。月収53万円未満のBさんは、4回目から4万4400円に引き下げられます。
この制度のおかげで、長期療養が必要な患者の負担はずいぶん楽になりますが、Bさんは症状が安定してからは医師と相談して薬の3ヵ月処方という裏ワザを使って、さらに薬代を引き下げる工夫をしています。
多数回該当は、「医療費が高額になる月が1年間に4回あること」が条件です。これをクリアすれば、1ヵ月分の医療費がどんなに高くても、患者の負担は4万4400円でよくなるので、薬はまとめて処方してもらったほうがおトクです。
CMLなどで継続的に薬を飲む場合、多数回該当が適応されてからの12ヵ月で考えてみましょう。毎月薬を処方してもらうと【4万4400円×12回=約53万円】ですが、3ヵ月分ずつ処方してもらえば【4万4400円×4回=約18万円】で、1年間の自己負担額は約35万円も抑えられるのです。
次回は9/27更新です。
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