Facebookでは公私の区分けがあいまいになりやすいことで「ソーシャル疲れ」を訴える声が増えていたり、短く親密な情報交換ができるTwitterを仲間内で閉じているものと錯覚し、不謹慎な行動をオープンにさらしてしまう醜態が「バカッター問題」として大きな社会問題になるなど、SNSのユーザー数の拡大につれて、ユーザーの成熟度のミスマッチは徐々に広がってきているかにみえる。

SeeSawに投稿された写真には、手書きで書き込みなども可能。右上の数字が閲覧可能な秒数を表している

 こうした流れを受け、モバイルアプリの企画開発を行うリクルートホールディングス メディアテクノロジーラボが公開したのが、友人間のコミュニケーションを完全に内輪に閉ざし、気兼ねなく自分勝手にテキストや写真、動画を送り合える無料アプリ「SeeSaw」だ(iOS・Androidともに対応)。

 SeeSawの特徴は、「送信されたテキスト・写真・動画を、受信者は一度しか閲覧できない」こと。受信者は、送信者が指定した秒数の間だけ閲覧することができ、その後は受信者・送信者の端末から完全に消去される。

 開発したメディアテクノロジーラボの担当者は、このアプリで解決したい「ソーシャル疲れ」の原因についてこう考える。

「ソーシャル疲れの原因として、会社の上司、部下、取引先の担当者などの仕事のみでつながっている知人をはじめ、あまり関係が近しくない人とつながってしまったために、自分が投稿する情報の質や量に配慮しなければいけなくなり、SNSが自分らしさを自由に発信しにくい場になりつつあることが懸念されています。気の置けない近しい友達同士で、もっと気軽にコミュニケーションできる場が必要ではないかという問題意識を持つに至り、昨年の12月から開発に取り組んできました」

※受信者がスクリーンショットを録った場合を除く。