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広告テクノロジーの変化に業界屈指の統合ソリューションで対応する米アドビ――製品戦略担当ビル・ムンゴバン氏に聞く

【第28回】 2013年10月3日
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――Adobe Marketing Cloudは実際にどのような使われ方をしているのでしょうか。

 事例はたくさんあって絞りきれないのですが……。たとえばA/Bテストや多変量テスト(MVT)などのテストを実施するソリューション「Adobe Target」を例に紹介します。

 ある小売業で、ウェブサイトの訪問者に対して見せる製品写真について、大きいサイズと小さいサイズとどちらが効果的なのかテストして、その結果に基づいてウェブサイトを最適化することができます。また、「過去ウェブサイトに訪問し、カートに商品を入れたものの、そのまま帰ってしまった」という人がいたとします。その人がもう一度ウェブサイトに訪問したときに、前回カートに入れた商品を値下げして提供する、ということもできます。

 コンテンツ中心型のウェブサイトで、あるストーリーを気に入っている読者に対して、他のストーリーを推奨して、最終的にどのストーリーが最も訪問者を魅了したかをテストでき、テスト結果に対してウェブサイトの構成を動的に割り当てることもできます。解析データをベースにし、訪問者に合ったコンテンツを提供することでコンバージョンを向上することが可能となるのです。

マーケティングスイートの分野で
競合製品は存在しない

――デジタルマーケティングの分野では多数のツールが乱立している状況です。アドビではどのような戦略で製品開発に取り組んでいるのでしょうか。

 私たちが常に望んでいるのはCMO(マーケティング責任者)の課題解決です。ウェブサイトを作成し、検索エンジン最適化をし、広告を買ってトラフィックを呼び込み、さまざまなデバイスを統合したキャンペーンを実施し、その効果を数値化・測定する。そうした一連のマーケティング活動を支援するものとしてAdobe Marketing Cloudを用意したわけです。

 現在この分野では、個々の問題を解決しようと何千もの企業がソリューションを提供しています。アドビはそれらのソリューションのなかで、当社製品に組み込めるものがあるかどうかを常に注視しています。これまでも、ウェブ分析のOmniture、コンテンツ管理のDay Softwareなどを買収し、それらの製品を統合しました。今後も私たちはCMOが望んでいることを見極めて、M&Aも視野に入れながら、課題解決に貢献するソリューションを充実させていきます。

――マーケティングツールの競合製品としてはどのようなものがあるでしょうか。

 たとえばグーグルが解析ツールなどを無料で提供しています。ただしグーグルは広告会社でありながら、Google+というメディアを展開するパブリッシャー(媒体社)でもある。自社の媒体に多くの広告費を支払ってもらおうという利害が存在するわけです。その点アドビは広告ビジネスそのものとは独立した立場で、どの媒体に広告費を使えば最適な効果が得られるのか、ソリューションを提供しています。その点が大きな違いです。

 実際、「Google アナリティクス」が登場して5年以上たちますが、当社の「Adobe Analytics」はいまだに成長を続けています。特にマーケティングが重要となる大企業は、豊富な機能と高い信頼性を持つツールを必要としています。当社製品の競争優位性が揺らぐことはありません。

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