別寝室にはデメリットも

 安眠と健康のためには、別々の寝具を使用した就寝スタイルが望ましいといえます。ベッドはダブルよりは2つ並べる、それがダメならせめて、上掛けだけでも別にしてみてはいかがでしょうか。

 別寝室は、睡眠環境だけを考えればさらに“理想的”かもしれませんが、一概にお勧めはできません。夫婦の寝室の機能は睡眠だけではないのです。ある調査によると、寝室での睡眠以外で最も多い行為は“夫婦の会話”です。別寝室は、コミュニケーションの機会を失うことにもつながり、将来的には・・・大きなリスクが潜んでいるかもしれません。

 同じ寝室で眠ることは、相手の健康状態の変化に気づくというメリットもあります。例えば、迷惑なイビキも睡眠時無呼吸や脳卒中の前兆かもしれません。

夫婦間のスキンシップが
“男性の”健康を守る

 「大切なコミュニケーションである夫婦間の暖かなスキンシップは、お互いのストレスを減らして健康を増進します。特に“男性で”恩恵があるようです」と米国のブリガム・ヤング大学のジュリアンホルト-ランスタド助教授は言います。

 既婚カップルに、相手の身体に触れることで相手の情緒に気づくトレーニングとマッサージの講習を受けてもらい、日常生活で実践してもらいました。すると、愛情ホルモンのオキシトシンが増えて、特に“夫の”ストレスホルモンと血圧が低下することがわかったのです。

 これは、マッサージ、寄り添って座るか寝そべる、手をつなぐというような、夫婦間の“性的ではない”スキンシップが、健康のためにも重要であることを示しています。

 ところで「別寝室」は、年代が上がるほど増加します。前出の調査では、20代では1割でしたが、30代で2割に倍増して、50代では3割となりました。面白いのは、“同じ寝室”ながら“別の寝具”で寝ているカップルの割合には、年代による変化はあまりないということです。もしかすると、1つのベッドで眠ることによるストレスは、一気に別寝室へと“変革”を求めてしまうのかもしれません。

 パートナーと1つのベッドで寝ることが幸福であると思っているなら、それはそれですばらしいことです。しかし、無理をする必要はありません。別の寝具でお互いに良い睡眠を享受することは、長期的に良い関係と健康につながることもあるからです。

 また、あなたが男性で、妻からの想定外の別寝室の申し出を回避したいのなら、常に妻の心情への配慮を欠かさないことです。というのも、妻が別寝室を望むのは長年の夫への不満から来ているかもしれないからです。

 例えば、子育てが大変な妻に対して、子どもの夜泣きで眠れないからといって“別寝室に避難”するような愛情のない行動は、妻にとってあなたのいびきや寝相を我慢できないものにして、後に“永久的な別寝室の運命”が訪れるリスクを高めることでしょう。

<今回をもちまして当連載は終了いたします。4ヵ月に渡りご愛読いただき、どうもありがとうございました>