慎重に進むツイッターの上場準備
大型IPO(株式新規上場)と期待されるツイッターの米ニューヨーク証券取引所への新規株公開が11月7日に予定され、アメリカではまたもや浮いた空気が漂っている。
面白いのは、ツイッターの公開時の株価が17~20ドルで設定されたことだ。流行の未公開株を取引するセカンダリーマーケットでは、ツイッター株価は最近28ドルまで上がっていたとのこと。普通ならば、そのラインに沿った株価がつけられそうなものだが、同社が発表したのはそれより低い。期待で膨らんでいるバブルを針でつついて鎮めたような、堅実な動きだ。
ここには、昨春のフェイスブックIPOの轍を踏まないようにという注意深さが感じられる。フェイスブックIPOの際には、ベンチャーキャピタルの駆け込み投資もあり、セカンダリーマーケットでのすさまじい株価のつり上げもあった。
期待でパンパンに膨らんだ同社IPOがやっと行われた際には、いくつかの不手際もあって一般の人々はすっかり白けてしまい、同時にフェイスブックへの不信感も高まったのだ。フェイスブックがその信頼を取り戻して、公開時よりも株価を上げるには1年以上を要した。
ツイッターのIPOがスムーズに進めば、テクノロジー業界にはその後に続こうとするスタートアップがたくさんある。いくつかカテゴリー別に挙げてみよう。
まず、フェイスブックやツイッターと同じソーシャルネットワークの分野では、ピンタレストがある。日本の楽天も出資する企業で、気に入ったウェブページや画像をピンアップしてシェアするサービスで、7000万人のユーザーが集まる高い人気だ。文字ではなくてビジュアルを中心にしたソーシャルネットワークでは、他にタンブラーやインスタグラムがあるが、それぞれヤフー、フェイスブックに買収された。ピンタレストは、その中で独立して残っているサービスだ。