説明できないCFOの
存在意義はない

永井 GEでの経験が今の仕事に生きているのですね。

梅田 ファイナンスとしての基礎体力はGEで培ったと思います。ビジネスを分析して、課題を見つけ、それがBSやPLにリスクとしてどのようなインパクトを与えるのかということをひたすらやっていました。

 当時の先輩で、それをわずか1週間でやってしまう人がいました。すぐにビジネスのどこがおかしいか、見抜いてしまう目を持っていましたね。すごいなと憧れたものですが、自分もだんだんと感覚が磨かれていきました。こういう感覚は、いま、非常に役立っています。

永井 一部の日本の企業ではインターナルオーディター(内部監査人)というと、マニュアルに沿って機械的に数字をチェックしていくというイメージをもたれているかと思います。監査の捉え方がまったく違う。梅田さんがご経験されたGEでの仕事は、監査を通じて事業の仕組みを見て、課題を抽出するという目的がはっきりとしています。

梅田 ファイナンスとしては、ビジネスの戦略が何で、主な収益源が何なのか、ビジネス上のリスクにはどのようなものがあるのか、説明できなければいけない。それがファイナンスの仕事だということを叩き込まれました。

永井 私はかつて外資系グローバル企業のPMI(Post Merger Integration)のプロジェクトに携わったことがあります。そのグループ企業は、毎月、本社へ財務諸表を提出し、レビューを受けるのですが、その被買収企業も例外無く、買収後、直ちにそのプロセスに則り、毎月報告を行っていました。ある勘定科目の月次の推移について、被買収企業のCFOが説明できなかったことがありましたが、本社CFOは「説明できないCFOは信用できない」、とすぐに被買収企業のCFOを変えるように指示を出してきました。数値は正しく計上されているのかもしれませんが、なぜそのような変動になるのか、その仕組みが説明できなければ正しい数値かどうかを判断することはできません。

ビジネスをドライブさせるには
全体を見渡す視野が不可欠

梅田 私はファイナンスとしてのバリューは、やはりビジネスをドライブし、サポートする事だと思っています。弊社にもいろいろな部署があり、さまざまな購買案件や投資案件があります。それを弊社の10ヵ年戦略計画に則ってプライオリティを考えて判断をしていくのですが、その際にきちんとした判断ができるかはファイナンスにかかっていると思います。

 全体の戦略のなかで、リスクとリターンを踏まえて重点領域にしっかりと投資できているか、またその結果、最適な売上予測が立てられているか。部署の判断に任せていると、部署の人はなかなか全体像がみえていないから難しいですよね。全体の戦略と現場をファイナンスがつなぐことによって、ビジネスをドライブできるのだと思います。

 そういう原動力として仕事をするのがファイナンスの一つの役割で、同時にその過程でどのような課題があり、どのようなアクションを取っていくべきかということを洗い出すことが大事だと思います。