プロ野球日本シリーズやJリーグ・ナビスコカップ決勝が注目を集めていたため地味な印象があったが、ラグビーファンにとっては見逃せない一戦、日本代表vsニュージーランド代表(NZ・愛称オールブラックス)のテストマッチが2日、秩父宮ラグビー場で行われた。
54対6、48点差で敗北も
日本代表にとっては大きな進歩
結果は54―6でNZ代表が勝利。普段ラグビーを見ていない人にとっては日本の惨敗に思えるかもしれないが、秩父宮に足を運んだ2万を超える観衆をはじめとする熱心なラグビーファンの見方は異なる。なにしろNZ代表は世界ランク1位のラグビー最強国だ。今回の来日メンバーは若手主体で「1軍半」という声もあったが、それでも強い。観戦者も日本の勝利を考える人はいなかったはずだ。
試合を観るうえでの期待は「最強国相手に日本代表がどんなプレーを見せてくれるか」。たとえば点差は50点以内で日本がトライをひとつでもとれればいい、という感じだった。その結果、点差は48。トライはとれなかったもののノーサイド寸前に日本は猛攻を仕掛け、あと少しでトライというところまで迫った。失点54も48という点差も対NZ代表戦では過去最少。最後の“抵抗”を見せた点にも大方の観戦者は満足し「ラグビー日本代表は確実にレベルアップしている」と受け止めたのだ。
負け試合の内容を評価し満足しているというのは情けない、と思う人もいるかもしれないが、世界のトップとはそれだけ大きな実力差があった。今回の試合まで日本代表はNZ代表と4回対戦している。そのスコアをあげておこう。
1987年 日本0-74NZ
日本4-106NZ
1995年 日本17-145NZ
2011年 日本7-83NZ