仮面うつ病をそのまま放置しておくと、抵抗力(適応力)が力を蓄えることができずに、ある日、顔を覆っていた仮面がまっぷたつに割れ、中から本当の自分の顔が現れ、ガタッと気が抜けたように力がなくなってしまいます。このころになって、やっと心療内科にいらっしゃる方もいらっしゃいます。それならまだ間に合うのですが、そうなってもまだ、自力で治そうと大変な努力をされ、苦しまれ、とうとう全身にやりどころのない痛みが広がってしまう方も少なくありません。それからの治療は時間がかかることもあり、その状態でいる自分の悲しさが先にたち、自ら死を選択してしまわれる人もいます。

 このような不幸が起こらぬよう、「うつ」の手前でストレスをコントロールする術(すべ)を少しでも多くの方に身につけていただきたいと願っています。

 これまでの議論を整理すると、ストレスと健康は、ストレッサーの種類や大きさに関係があり、それに対する個人の抵抗力(適応力)の強さにも関連性があるとわかります。適応力に個人差があるとしたら、どこが自分の限界なのか、いつ、どのストレッサーが、自分の適応力を上回ってしまうのかが予測できれば、ストレスコントロールができる、ということになります。

<次回へ続く>