この連載の第8回目に、ストレスコントロールの「認知の2段階」というのをお話しました。まず自分のストレスを書きだして、それに順番をつける(1段階)。次に、書き出したストレスを、辛い順番から順番に並べて、その解決方法を一番上から計画する(2段階)。この2段階目の計画には、冷静な判断力が必要だとも言いました。
間違っている例として、こんなのを出しました。「私のストレス第1位は、ブランド商品がないこと。借金してでも買いまくろう!」。これは冷静な判断とはいえません。ブランドのどれを買うか、どのくらいの予算が必要か、貯めるまで何を節約するか、もちろん、諦めることも含め、これが冷静な判断に基づく計画です。
今回は、その冷静な判断のために利用する3つの力を紹介します。
(1)ソーシャルキャピタル
(2)ソーシャルサポート
(3)ソーシャルネットワーク
の3つです。
これだけ聞くと「なんじゃ?」という感じがしますが、ソーシャルは社会という意味ですから順番に、(1)社会的資本(お金の意味もあります)。(2)社会的支援(施設という意味もあります)(3)社会的つながり(個人ネットワーク)となります。
たとえば、休暇を取ったあとに出社してきたら、仕事が溜まっていて、こなし切れずに毎日が過ぎていく。誰も代わりがいないから自分が全部やらなくてはならないと、ストレスが溜まってきてしまっている。なんとかしなければと、あせっている。でも、疲れてできない。
今日は、この例を使って、上の3つを使って説明してみようと思います。
休暇を取った後というのは、身体がなまってます。オフィスでみんなが忙しく働いている雰囲気を拒絶したいサインが、身体から自然にでていたりしているのです。
人が休みを取るときは、その人なりの理由があるものです。身内の葬式だったり、当然とるべき夏休みだったり、海外出張のあとの休みだったり。でも周囲は、それを当然と受け止めてくれない。ここがストレスの原因になります。
管理職はたいへん
かつては、助け合ったものですが、最近のサラリーマンは、競争社会の出来高主義。休んでいる人の分まで働いてくれる人なんて、なかなかいません。まして、管理職の休暇は、給料高いくせになんて悪口まで言われる。休んでいる間、部下が怠けていることもあります。「お休みされてたので~、この仕事ご指示なかったんで~、あれからそのままになってますけど~、どうします?」と言われる。「適当にやってよ」なんて頼もうものなら「ちゃんと指示してくださらないと~、こちらとしても自信ないんで~」になって、どんどん仕事が遅れていく。