トップの方針に説得力を持たせるのも
データの重要な役目
さらに眞鍋監督が長けているのは、アナリストにデータ精査を依頼した時点ですでに、頭の中では、「仮説が事実だったらこういう作戦が成り立つんじゃないか?」「こういう工夫ができるんじゃないか?」という着地点まで見ているようなのです。
各コーチたちも、鋭い眼差しで「勝利の種」になり得るデータを求めてきますから、データを提供するこちらも、毎日が真剣勝負です。
監督やコーチの方針、指導に説得力を持たせるのも、データの重要な役目のひとつです。監督やコーチとのお付き合いも長くなり「データのうまい使い方」がチームに定着してきています。
「こんなデータ調べて」というオーダーに応えて、さらに目的に沿った分析、アウトプットを提供する関係は、さながらカスタムメイド、オーダーメイド。
使ってもらえるデータを作って自分から提案すること、すでにあるデータを活用してもらうこと、そのどちらも、データ活用を円滑に進めるために必要な
手法です。
こんな風に、日々の練習や試合の中で、データは活用されています。
皆さんの職場でも、参考になればと思います。
さらには、皆さんが、本連載や書籍をきっかけに、バレーボールに興味を持ってくださること、3年後のリオデジャネイロ、7年後の東京五輪での金メダルを目指す新生・火の鳥NIPPONを応援してくださることを願ってやみません。
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日本初の全日本女子バレーボールチームの
情報戦略担当アナリストによる、チームを勝利に導く法
ロンドン五輪で28年ぶりに女子バレーに銅メダルをもたらし、世界一のデータバレーを誇る日本。驚きの勝利の裏にあったものは、「いかにして現場でデータを効果的に使って、人の心を動かし、チームを勝利に導くか」にあった。
本書は、日本初の全日本女子バレーボールチームの情報戦略担当アナリストによる、チームを勝利に導く方法がまとめられている。時にはアナログな手法も使いながらデータを「武器化」し、選手やリーダーである監督、スタッフを動かし、不利な状況の中、チームで勝利をつかんでいったのか、具体的なエピソードを入れながら、わかりやすく解説している。
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