

吉田 去年は、インディーズ企業のソフトが「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」を獲っていますが、これはインディーズのターニングポイントになったと言えるかもしれません。それまでは「コール・オブ・デューティ」や、うちで言えば「アンチャーテッド」「ゴッド・オブ・ウォー」など、大手系のソフトが受賞していたのに、「風ノ旅ビト」や「The Walking Dead」など、デジタルダウンロードの10ドルくらいで買うゲームが受賞するようになりました。そんな彼らの活躍はPS4ビジネスに対してもポジティブな影響を明らかに与えているし、良い結果となって現れていくのではないでしょうか。
――そういう人たちと、吉田さんたちはどうやってつながるんですか?
吉田 インディーズのいろんなイベントに結構マメに足を運ぶことから始めています。いいものがあったら「これうちで出さない?」と声をかける。それは4、5人の小さいチームでやっているんですが、彼らは実はゲームのジャーナリストだった人たちが多い。ゲームが好きで書くほうで入っていた人が、今はエバンジェリストになっている。ですから欧米では「ソニーの人と話をすると、喫茶店でコーヒーを飲みながらリラックスしてしゃべれるような気がする」と言ってもらえます。
インディーズの場合、つくっている人と経営の判断をしている人が同じなので、決定も早い。でも大手さんはやっぱりビジネス戦略があって、つくり手がつくりたいと言っても「いや、今はこっちのハードが伸びているから…」と経営判断でできないこともある。そのあたりも、インディーズの勢いが伸びている理由だと思うんですよね。そしてその結果、業界の流れも変わっていくと。今や、インディーズを無視して、PS4はもちろん業界の将来は語れません。私もできる限りの支援はしていくつもりです。
――インディーズで活躍する人というのはどんな人なのでしょうか。
吉田 結果を出しているような欧米企業の場合は大手で経験を積んだ人が独立してやっているケースが多いですね。大学生が在学中に軽いバイト気分でやるような感じとはまったく異なります。