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2030年のビジネスモデル

人口減少時代に、人口を10%も増やし、いきいきと若返ったまち

齊藤義明 [ビジネスモデル研究者、経営コンサルタント]
【第14回】 2013年12月12日
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 「母になるなら、流山市。」というユニークなキャッチ・コピーを3年前に発表。それ以来、認可保育所の定員数を格段に増進させてきた。2009年時点で1669名だった保育所の定員数は、2013年には2794名にまで増大、4年間で1125名ものキャパシティ強化を図った。さらに今後2015年までに定員数を4000名にまで増強を図るというから、待機児童ゼロに向けて本気である。

 保育所を新たに整備する際、その立地は必ずしも街の中心部に近いものばかりというわけにはいかない。そうなると親たちは子供の送り迎えが大変になる。保育所の数だけ増えても不便では用をなさない。

 そこで流山市が打ち出したのは、市の2つの中心駅をハブとして、そこから各保育所に送迎する「駅前送迎保育ステーション」と呼ばれるシステムの導入だった。親は出勤するときに駅まで子供と一緒に来て、駅前にある送迎保育ステーションに子供を預けるだけ。後はバスで送迎保育ステーションから所定の保育所まで子供たちを連れて行ってくれる。

送迎バスに乗る子どもたち

 バスは現在5台導入、利用者は毎日200人以上、利用料金は1回100円である。帰りも各保育所から子供たちを駅前の送迎保育ステーションに送り届け、最大夜9時までの延長保育で預かってもらうことが可能だ。共働きの親にとっては非常に助かるしくみであり、大人気だ。また、井崎さんは、こうした子育て施策を保育児から小学生にも拡張し、小学校ごとに設置されている学童クラブの増設にも着手している。

 子育て世代の共働き夫婦から選ばれる街を目指すという明確なターゲティングといい、痒いところに手が届くソリューションといい、一般の自治体を凌ぐ経営手腕だ。人口増加にはTX開通の効果はもちろんあるが、人口指標で見る限り、流山市はTX沿線都市の中でも明らかに勝ち組である。その成功は単に外部環境の効果だけに起因するものではない。

民間人材をキャリア採用し、
自治体初の「マーケティング課」を設立

 こうした自治体行政の変革はいかにして可能となったのだろうか?流山市の人口戦略の中核を担っているのは、行政ではあまり聞きなれない「マーケティング課」という組織である。井崎市長は、流山市の経済社会における存在価値を明確にポジショニングし、しかるべき人たちにアピールしていくための戦略部門として、2004年にマーケティング課を設置した。

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齊藤義明
[ビジネスモデル研究者、経営コンサルタント]

ビジネスモデル研究者、経営コンサルティング会社勤務。政策・経営コンサルティングの現場でこれまで100本以上のプロジェクトに関わる。専門は、ビジョン、イノベーション、モチベーション、人材開発など。

2030年のビジネスモデル

未来のパターンを作り出す企業は、はじめは取るに足らないちっぽけな存在だ。それゆえに、産業の複雑な変化の過程で、その企業はときに死んでしまうかもしれない。しかし個別企業は死んでも、実はパターンは生き続け、10年後、20年後、新しい現象として世の中に広がる。2030年の日本につながる価値創造のパターンとは何か。現在さまざまな領域でその萌芽に取り組む最前線の挑戦者たちとのダイアローグ(対話)。

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