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スマートフォンの理想と現実

ソニーXperia Z躍進からウィルコム消滅まで
スマートフォンをめぐる2013年の出来事を振り返る

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第57回】 2013年12月26日
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9月:ドコモiPhoneの発売

【概要】
 9月11日、AppleがiPhone 5sとiPhone 5cを発表。同時にソフトバンク、KDDIに続きドコモでの取り扱いが明らかにされた。事前に繰り返された観測報道のほか、発表後もキャリアメールへの対応が遅れたり、販売方法や価格が混乱したりと、数々の騒動を引き起こした。

「ドコモのiPhone」は 日本モバイル産業にとっての敗北なのか - ダイヤモンド・オンライン

速報:ついにNTTドコモから新 iPhone 登場。まずは13日から iPhone 5cの予約受付 - Engadget日本版

ドコモ版 iPhone 5s / 5c の@docomo.ne.jpプッシュ通知は来年、理由は「戦略上」言えず。ドコモメールは12月 - Engadget日本版

ドコモ初のiPhone発売。社長が行列に飛び込み握手。説明会で涙ぐむ場面も - Engadget日本版

【解説】
 モバイル業界で数年にわたり「ネタ」を提供しつづけたドコモiPhoneがいよいよ現実のものになった。そうかと思えば、消費者からの反応はいま一つという状況がここまで続いている。おそらく最大の商機となる来年の春商戦では、殴り合いの様相を呈するような壮絶な販売合戦が、3キャリアの間で繰り広げられるのだろう。

 この現象は、いろいろな文脈から読み解く必要がある。日本がiOS天国となったことの善し悪し、iPhoneが受け入れられた背景にあるITリテラシーの低さという現実、スマートフォンのエコシステムの将来像、LTEというインフラの日本全土における普及状況とその背景にある地域経済の動向、等々。それらを整理するだけで、一冊の本が書けてしまいそうだ。

 とりわけ、日本全国のネットワークを有し、それゆえに地方部に強みのあったNTTドコモで、iPhoneが予想された通りには売れていないという現実は、やはり大きくて重い。それらの動向次第で、日本社会におけるスマートフォンの位置づけは決まりかねないだけに、狭義の通信事業だけでなくコンテンツ事業も含め、引き続き詳細に解析する必要がある。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

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