「アンチエイジング医学」というと、老化防止や長寿の妙薬があるような印象を持たれるかもしれませんが、残念ながら発展途上の分野で分からないことの方が多いのです。つまり、「誰でもこれをすれば寿命が延びる、老化が防げる」とはっきり言い切ることができないのです。これをすると老化防止や寿命に対して効果が見られたと報告している研究はたくさんあるのですが、一方で効果がなかったという報告もあり、学問的にはまだ確立していないのが現状です。

 ですから、本連載ではこの点を考慮したうえで、可能な限りわかりやすい形で読者のみなさんに情報をお知らせしたいと思います。

同い年でも
若く見える人と老けている人は何が違う?

 さて、老化とは何でしょう?

 老化を医学的に定義すると、身体の臓器や組織の機能と構造が低下し、恒常性が失われるプロセスということになります。

 例えば、心臓は加齢とともに大きくなる一方、心筋の能力は低下します。腎臓は30歳くらいを頂点に重量が軽くなり、水分の代謝量は減ります。このほか、年齢とともに、肌、内臓、骨、筋肉などの機能は衰えていきます。

 ただし、老化のペースは人により、また臓器によっても異なります。同じ45歳でも30代にしか見えない人もいれば、50代と間違われる人もいます。大方の人は30代に見られた方がいいですよね。

「見かけの若さは寿命と関係ないのでは?」と思われるかもしれません。ところが、デンマークの研究では、「若く見える人のほうが、老けて見える人より長生き」という結果が出ているのです。